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1daze

2002.12.04 a quarta-feira

 友人に、「飛行機は、何回か乗ってから怖くなる」と言われたのが去年の夏。それまで4回ほど乗ったけど怖くはなかった。しかし今回、怖いというんじゃなくて「落ちたら…?」という不安が初めて(延べ5分間くらい)アタマをよぎり、いかんいかんと気分転換に遺言を考える事にした。しかし考えてみると自分には言い残したい事は大してなくて、強いて言えば最近気になっている、「この街」って曲を歌ってる元ちとせが「越冬つばめ」を歌ったらハマりすぎて笑えるなあとかそういうことばかり。要は思い付いたっきり誰にも言ってないネタが心残りってことか。くだらん。ちなみにこれが一年前だったら「椎名林檎は『真夜中は純潔』なんて曲は作らずに工藤静香の『MUGO・ん…色っぽい』をカバーすりゃ事足りたのでは」になってた。さて今回の一行は僕、イマイズミコーイチ、あと友達のW嬢N嬢。出発が早いので間にあうかとビビってたが問題なく乗れて着く。韓国の仁川(インチョン)空港もまたソウル市街から離れており、しかも電車が通ってないので目的地へはバスで。車中から見えるハングルが溢れる景色は、至る所に「下剋上」とか「号外」とか書いてあるような錯覚を起こさせて楽しい。1時間弱でソウルクイアアーカイヴを開催している安国(アングック)に着く。2年前にソウルクイア映画祭をやった会場へは、2度目なので自力でたどりつけた。でも通りには新しい店が増えたような。小ぎれいなカフェとか出来てる。会場にはスタッフの飼い犬がいて、まだ9ヶ月だと言うそいつは人がたくさんいるのに興奮して会場を走り回っていた。一年以上ぶりにスタッフに再会して、昼飯に連れて行ってもらう。ここも新しい店だ。韓定食を食う。外は寒いんだけれど、店は日光がやたら入って来る造りでいきなり和む。夏は暑そうだけど。

 食後、会場に戻って日本作品「プリズム」を観る。ううむ。キッついなあ。「(同性愛が)治った」とか言われてもなあ。ところどころリリカルなのもまた。気を取り直して滞在中泊めてもらう友人の家に行く。会場から地下鉄で25分くらいの梨泰院(イテウォン)という駅。バーとかクラブとか凄くたくさんある駅前を抜けて、丘を登ったところにある大きな家の2階部分を3部屋借りてるボリさん(仮名)は韓国のゲイ雑誌編集長。ルームメイト(たぶん)のミノさん(仮名)はこの近くでゲイクラブほか何軒も経営しているシャチョー。2人が日本に来た時、「ガイドしてくれ」と言うので靖国神社(本人達の希望による)や東京タワーやらを案内したのだが今回、「ソウルに来るなら泊まりなさい」と言うので今回ありがたくお世話になる。さすが出版&水商売ってことでずいぶんな深夜でも平気で起きている。24時間鍵を掛けないというすばらしい方針のおかげで何時に帰ってもオッケーだと。ボリに連れて行ってもらってビビンパ食ってから周辺を散歩する。近くにあるミノさんの店に行って驚かそう、とこっそり店に入ると客どころか本人もいなくてこっちが驚く。閑古鳥鳴き過ぎでした。不況か?

seoul01
 バスの中から。途中まではホントに殺風景でよいかんじ。


fol