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2daze

2002.12.05 a quinta-feira

 昼過ぎまで寝る。韓国の家は床暖房が普及してるので、冬でもあったかい。その代わり空気が始終乾燥しているので気を付けてないと喉が痛くなる。先に起きていたW嬢とN嬢は今日から現地スタッフが紹介してくれたホテルに移動するため、全荷物を持って行動。ボリさんに連れられて丘を下ってるとミノさんに出くわす。一緒に地下鉄で会場へ行き荷物を置いてから、6人で近くの飯屋に入る。再び韓定食。そこで4年ものとか言うキムチ(うまい。けどなんか発酵しすぎとかそういう次元とは別の意味で微妙な味)などをいただく。その帰りにボリにでかい仏教寺院へ連れて行かれる。西本願寺とかそういう感じのでかさ。でも宗派が日本とは違うのか、内装も初めて見る感じで、参拝のバアさんたちも五体倒地でもないけど見なれない拝みかたをしている。ぼくらはただ眺めてるだけだったけど、何を思ったか見よう見まねでN嬢も拝みだし驚く。なにを祈ってたんだか。寺を出て去年も行った景福宮という朝鮮王朝の王宮に行く。ボリさんいわく「ワールドカップにあわせて復旧工事してたけど、外側しか間に合わなかった」。なるほど去年工事中だった正面建物は完成してたけど、その奥の建物はまだ。覆いがかかっている。その後イマイズミコーイチとW嬢は「タンポン・マニュアル」(ナイスタイトル)という映画を観に会場へ。残った僕とN嬢、ボリミノは近くの民俗博物館に。閉館ギリギリで駆け回って、僕らも会場へ。その途中韓国のオールドスタイルの喫茶(ガイドには「伝統喫茶」とある)に寄って一服。ミノさんとN嬢、店員の男の子がかわいいとちょっと騒ぐ。ミノさんが言うに、この喫茶は個室もあるが、その昔はカップルがここに入ってセックスするのに使ってた、と。ホントか?それじゃ高級焼肉店だよ。

 僕らが会場に行くと、一日遅く着いたIちゃん(「ノーティーボーイズ」カメラ担当)とその友達のKさんが到着している。去年も韓国海苔を死ぬほど買い込んでたKさん、着いて早々段ボール2箱分海苔を買ったらしい。「今回は郵送しようと思って」などと恐ろしい事を言う。どのくらい買うのやら。これから「ノーティボーイズ」の一回目の上映。時間のせいか客の入りも良い。「シャラップホワイトボーイズ」というベトナムのかっこいい(ヌルいが)短編の後、上映。とにかく良く笑ってくれて嬉しいが、なぜ笑うのか判らん所でも反応があってちょっと不安になる。字幕が間違ってるのか?笑いの沸点が低い客層なのか?問いが解決しないままQ&Aへ。いくつか質問が出たけれど、「やおいから何か影響を受けていますか」という質問にイマイズミコーイチ困惑する。僕はサントラCDの宣伝をしてたので、上映後何枚か売れる。ぐへへ。この日はこれが最終上映で、そのまま映画祭の歓迎飲み会へ。そこでイマイズミコーイチの新作(タイトル未定)クランクイン。Q&Aの時に、「今ソウルで映画を作っているので、出たい人は声掛けてね」と言っておいたので、それで来てくれた子を片っ端から撮影。イマイズミコーイチ、サイン攻めにあう。飲み会には例の「プリズム」の関係者の方々もゲストで来ていたのだが、話(ているのを脇で)聞くにつけ、宣伝っていうのは針の先ほどの要素を綿菓子のように際限なく膨らましていくものなのだなあという事を思う。持って他山の石とすべし。何だか判らないが。取りあえずこの映画がどうして「クイア映画」に思えなかったのかは何となくわかりました。さてKさん、会場に来ていた欧米系の女の人に「目を付けてるの」とか言いながら彼女が帰るってんでKさんの背中をつっついてるのに他の人と話をするのに気を取られて気付かない(しばらくして気付いたけど)。モテへの道は高く険しいものなのだね。その後うねうねと地下をくだって着いたのはカラオケバー(広い)。「ノーティーボーイズ」でちょこっと出演もしてくれたソウルクイアアーカイヴのディレクター(超ディレクターと命名)が朗々とムード歌謡を歌う。以前話した時はカラオケ嫌いだとか言ってたのに人は変わるものだ。とにかく物凄い音響の中(録音してしまった)、眠くて朦朧としてきた時に、映画祭の元スタッフで3年前からの友達ホロくん(仮名)が来る。仕事明けでややヨレてたけど、あんまお変わりなくて良かった。今は映画の上映(企画?)をする会社で働いてて、来年には鈴木清順と大島渚、あとデレク・ジャーマンの特集とかをするらしい。仕事がない日に彼を撮影する約束をして別れる。相当な深夜になってからタクシーで帰宅。ここであやうくポカをしそうになる。料金が大体6000ウォン(10ウォン≒1円)だったのだが何を思ったか僕は10000ウォン札6枚出していた。運転手は一旦50000ウォン返してくれたのだが勘違いに気付かない僕はそれをそっくり返し、その瞬間に次の客(アグレッシヴな感じのおネエちゃん)が「あんた払い過ぎ払い過ぎ!」と注意してくれてようやく気付く。ひょえ〜。運転手は迷惑を絵に書いたような顔をして手元に残った10000ウォンからお釣りをくれた。良く考えたら若干お釣りをちょろまかされたのだが、まあ54000ウォン余分に払うよりはいいか。どうも自分で思っているより疲れていたらしい。帰ったらさすがにボリは寝ていた。


seoul02
 ボリ宅付近のメーター群。ガスか電気か判らん


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