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2003.0620(fri)

 朝のアルバイトを2時間で無理矢理切り上げ新宿駅に向かう。雨は降っていない。成田エクスプレスは埼京線とホームを共用しているのでどえらい混んでいる。ようやく新宿始発の列車が行ってガラガラになったホームでイマイズミコーイチと待ち合わせ。これから海外行くんだ、という実感まるでなし。韓国、ソウルで「クィア・パレード」というものがあるらしいと聞いてはいたのだが、今年の開催日を知ったのが一週間前。無理矢理休みを捩じ込んで航空券取った。朝から何も食べていないので売店でパン買って食べる。イマイズミコーイチは昨夜、「日本最後だから」と夕飯用に鰻を買っておいたのについふらりとラーメン屋に入ってしまいその夜は鰻を完食できず、朝も食えずで結局捨ててしまった事をしきりに後悔していた。さて、SARSのせいもあってかさすがに今海外に行く人は少ないらしくて、行きの飛行機は結構空いている。機内食は鶏と野菜を炒めたのを飯にかけたものでした。

 仁川(インチョン)空港に着いてもまだ外は明るい。空港に着いたら今回情報をくれた友達に電話をして今後の予定を相談する事になっていたのだが、直前に知り合いに不幸があったそうで動けない、というメールが来たので、着きましたとだけ一応連絡して別の友達に電話する。するがなんか呼び出し音がどっかの洋楽ポップスみたいなので本当に掛かってるのか判らない。何度か掛け直してようやくつながり、パレード会場近くで会う約束をして、エアバスで市内に向かう。ちょっと値上がりしてました。でも700円くらい。約束の錘路3街(チョンノサンガ)という地下鉄駅構内に入り、そこからまた電話。今から来る、と言われて中で座って待つが、僕らの他に座り込んでるのって競馬新聞みたいなのを読んでる汚いおっさんだけで、もしかして駅で座ってるのって異様なのかもしれんと思い出す。気のせいか通行人がなんだかちらちら見てるような気もするし。でも立つのもたるいので床にデジカメ置いて撮影したりしてますます不審。20分くらい待ってようやく迎えが来る。駅近くに居るから、と言っていたのになんでだか改札を抜けて出てくる。何か間違えたか?迎えに来てくれたのは韓国の「クィア・アーカイヴ」のスタッフのS君とその友達の男の子、それと以前から韓国に行く度に会っていたJ嬢。彼女はちょっと前に東京に来て、その時は2丁目案内したり僕やイマイズミコーイチの部屋に泊まったりした。

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地下鉄の床上にカメラを設置。シャッター適当。

 3人と仁寺洞(インサドン)という骨董店通りにある飯屋に入って鍋を食う。隣が障子で仕切った座敷になっていて、宴会やってるらしかったが太鼓は叩くは歌うはでなんかえらい事になってる。どんな歌なの、と聞いたが「古い歌だと思うけど、なんか方言だから良く判らない」とのこと。あまりの騒がしさについ録音する。その客は先に帰ったのだが、しばらくすると店の人がでかい鼓みたいなのを持って来て店の棚の上に置いた。店の備品でやってたのか。食べながらいろいろ話を聞くが、今回のパレードは幾つかのイベントを束ねたもののウチの一つで、その他には映画の上映会、展覧会などがあるらしい。見たかったけれどまだ始まっていないものが多くて逃してしまった。特にHIVポスター展とか面白そうだったのだけど。パレードはこのすぐ近くのタブゴル公園という所の前からスタートするらしい。なんかまだ警察の許可が下りてないそうでどうなるか、と言っていた。でも明日だけど。

 宿泊先は、前回泊めたもらった人のウチを当てにしていたのだが、彼が不在で、ついでにどうやら引越したらしいと判り断念。じゃあホテル取ろうか、と思っていたらS君が、一緒にいた友達の子の部屋に泊まればいいと言う。初対面なんだがいいのか、と思ってるうちに画家だと言う彼は今夜スタジオで徹夜で絵を描くからここでさようなら、と言って反対方向に行ってしまい、僕らはS君にどんどん案内され、タクシーで結構走ってやや郊外のビルに着く。後で地図で確認してみたら北の方に移動してたらしい。フロアそれぞれに何部屋かあるビルの、屋上には一部屋だけあり、そこが彼の部屋。屋上は部屋よりもかなり広く、布団干し放題という感じだった。画集と写真集と本とパソコンに壁の2面を占領されたいい部屋で、失礼ながら蔵書を勝手に見させてもらったら草間彌生の多分展覧会のカタログがビニールパックをしたまま置いてあった。怖いのか、やぱり。シャワーを借りてテレビで歌番組を見ていると、S君「僕はこれから友達の所に泊まる。明日の朝迎えに来るよ」と言って出て行ってしまった。3人でも寝られない事もなかったんだけど、マジすまん。

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泊まった部屋の屋上から下を見下ろす。


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