2007.1125, sun

 10時起きである。Jは11時過ぎに僕らの部屋へ来てまずもろもろの精算を済まし、やがてやってきたヒロくんと合流。イマイズミコーイチもヒロくんも昨夜のオーダー通りヒゲを剃っているがイマイズミコーイチは「ヒゲの手入れなんてしたことない」と言うので自分がもみあげなどをちょこちょこ修正、ヒロくんは、と見れば剃刀負けして頬が一部赤くなっておりしかも首筋に寝跡が付いているのでどうしよう、とか言ってるがしばらくしたら消えるでしょう、とJ&Hと共に地下鉄に乗って中環へ、途中イマイズミコーイチとヒロくんが訳の判らない会話をし出し「アーユーイケメン?」「イエ~ス、オフコース」などと飽きもせずに延々話している。ヒロが「赤いTシャツにキャップ被ってるから、イワサさんは今日なんかポストマンみたいですよね、アーユーイケメン?」とか言うので「ノー(あんたらとは違う)」と答える。ポストマンはポスト色の服は着ません普通。みんな疲れてきたか?

 待ち合わせはまたしても昨日と同じ店だが、今回は僕らが取材を受ける方でした。滅多に飲まないコーヒー(ブラックだと腹が下るので、ミルク入り)を頼んで今回僕らの通訳Cさんの働く会社"Fridae"の取材である。"Fridae"は12月のハバカリ全作品上映のサポートもしてくれているのでその宣伝も兼ね、だそうです。Cさんと共に待っていたインタビュアーの男性は以前香港で"G magazine"というやはりDSのようなフリーのゲイ雑誌を出していた人だそうだが今は休刊してしまってライターをやっています、とのこと。


撮影されてます

 彼は映画を事前に観てかなり詳細なメモ(質問事項)を用意していた。『初戀』についてもかなり突っ込んだ事を聞かれたが、それだけではなく僕らの個人的なをからめて聞くのであ、丁度20代30代40代と一人ずつ居ますねえ、とか言いながら答えを考える。途中彼の質問が別の映画へのと混じってしまいみんなで大笑いしたりしつつも通訳Cさんに助けられてけっこう長時間の取材おしまい、次いで彼は写真も担当なので、と昨日DSスタッフをヒロくんが撮ったあたりに出てきて一人ずつ撮影される。考えるまでもなく3人の中で一番撮られ慣れてないのったら自分だが、考えてもしょうがないので一応笑ってみた。最後に脇でずっと取材の様子を見ていたHが自分のカメラで撮ってくれた集合写真はみんないい顔していたので、もしかしたらHはスナップ写真家として優秀なのかも知れない。んでもって実は通訳Cさんとはここでお別れ。「これで最後なんだよね…」とヒロがしんみりしだすのでまあまあ、とCさんとのニコニコ写真を撮ってみたりしました。ありがとうございました、またどこかで。

 さていつ来たのか忘れましたが(ひでえ)気付けば映画祭Aも同行しており、昨日のトラム行きと同じメンバーになる。急に「お土産買いたくないですか」と格安ツアーの添乗員のようなことをJが言い出してなんかの食料品店に案内される。東西問わずオーガニック食品&健康食品の店っぽいが、あまり品揃えはない。でもレジの所に豆鼓(トウチ)があったので買ってみました。持って帰ってよく見たら「要冷蔵」と書いてありましたけど。店を出てタクシーに乗り、灣仔に戻って昼食へ。最初に行こうとした店は時間帯が災いして待たなくては行けないので止め、次に向かった店はなんだかとても年季の入った構えの料理屋、Jが「こないだここでアメリカの映画を撮影していた」と教えてくれる、あ、飲茶ですね。というわけで奥の席に案内されて円卓に座り、食器と箸をお湯で洗ってから「入り口にワゴンがあるから好きなものを取っておいで」ってことなのでわ~い、と小走りで向かい、腸粉と揚春巻と大根もちと叉焼パイと…と好き放題お盆に乗せて持って帰り、J&Hはそれとは別にいろいろ頼んでくれ牛の胃袋を煮込んだヤツに叉焼、叉焼饅、蒸餃子、栗餡の饅頭、あと僕らの希望で芥藍(青菜)炒めなど。Hは食卓に付くなりさっきの店で買ったお菓子をくれ、なんか日本で近いモノで言うとゆべしのようなものでしたです。しかし飯もうまい。食事も半分以上進んだところで昨日のヒロくんとのカラオケは無しになった現地の方がお見えになり、ほぼ初めましてなんです、とお仕事の話などをしている。


昼食中

 店を出て、灣仔のあたりをぶらぶらする。この辺は古い商店街なんですが、おもちゃ屋を見たくありませんか、とJが言うのだがどう考えてもJが入りたいんだろう、別に(どちらでも)いいけど、と言ったらJは「では」と真っ先にものすごく混んでいる店内に入って行ってしまい出てこない。自分らも一応一通り見てみましたがなんか日本製のキャラクターが眼に付きました。外に出てきた順番はビリがもちろんJ(何か買ってた)、ブービーが自分、「イワサくんは真っ先に出てくるかと思ったけど、意外」とか言われるがだって混んでて。「さて次はリフトです、この辺りが見渡せます」と気付けばどんどんプランを立ててくれる(アドリブなんだろうか)Jの後ろをぞろぞろ歩いているうちにAが「あ、この先にすごくおいしいミルクティー屋があるよ」とのことで寄り道。無論ミルクティーしかないわけではなくてパン屋のようなものなんだけど、渡されたミルクティーは確かに茶葉も牛乳も濃厚、そしてあまり感じないけど実はきっと大量に砂糖が入っているのでしょうなあ。

 「リフト」の意味がいまいち判らないのだがみんなしてとあるビルの中に入っていく。オフィスビルのようなショッピングビルのような中途半端な感じで店舗が入っているが、中層階までエレベータで上がって、更に別のに乗り換え、これが「観光用リフト」なのでした。香港では「エレベータ」より「リフト」と言うのが一般的とのこと。このリフトはガラス張りになっていて、乗る人もただ上がって下りて景色を見るだけ、誰も着いた先で降りない。乗り合わせた人の中に若い男性が居て、彼はリフトが上がっていくのにつれて心底感に堪えない、といった風情で「フワァァァァァ~~~」と感嘆の声を漏らすので、僕ら一同は笑いをかみ殺すのに苦労した。

 ただエレベータに乗るだけ、という素晴らしい観光(こういうのはとてもいい)をしたあとは引き続き街を歩く。商店街のようなところを縦横しているので、そこら中におもしろい店がある。一行の中でちょっとトイレ、という人がいたので古いビルの前で待つが、そこは一階が果物市場のビルでした。Jがあとで説明してくれたところによると、ここはどこだかの企業に買い取られてショッピングセンターに建て直される計画なのだけれど、テナント(果物屋ほか)の反対にあって現在香港市が調停中とのこと。「でも多分ここは無くなっちゃいますけど」とJは言っていたけど、世知辛いですな。トイレ待ちの間に果物市場(小売りもやってる)の入り口前でヒロくんと交代で写真を撮り合ったりしてみましたが、帰って観てみたらヒロくんはさすが取材慣れしているというか余白に「はいっココが灣仔街市生果…」とかいった吹き出しを付けるしかないだろう、といったポーズで収まっており、方や自分のは人物部分だけがハメ込み合成というか立て看板のような二次元感、同じとこで撮ってこうも違うか。自分、雑誌レポートはやれそうにもありません。


ココが灣仔街市生果…の入り口

 前々から「お茶を買いたい」と言っていたのでJが「事務所の近くにいい店があります」と連れて行ってくれたのが日本にも六本木ヒルズとか丸ビルとかに支店がある「英記茶莊」、東京の日本支店には行こうとも思わなかっただろうけれどJの「近所の店」だってことなら入ってみましょうか、高くありませんように。流石に観光客慣れしているというか、オール日本語のパンフまでありましたがお店の人は試飲用のお茶を丁寧に淹れてくれ、散々迷った挙げ句に自分用には西湖龍井(緑茶)を買いました。ここでAは用事があるとかで離脱、僕らはスーパーに寄って若干お土産を物色、今回は何故かあまり我を失うことなく胡麻油とツナ缶だけを買いました。油が切れてたんで、って普段のお買い物そのものでありますね。

 はひー歩いたねえ、とJ&H事務所に戻り、休憩。なんか初めてゆっくりくつろいでいるような気がする。僕らとJがちまちました今後のプロモーションの細事を相談している間、後ろでジャラジャラ音がするので何だ、と振り返ると木の箱の上には大量の小さなスケルトンドラえもんが。それを差し向かいでいじくっているHとヒロくんに何それ、と聞くとヒロ、「Hのコレクションなんだって、ダブりは全部くれるって言うから~」と真剣なまなざしで選り分けているがそれ、色以外に何か違うの?と更に訊いてみたら底面はスタンプなのでした。でも印影はパッと見よく判らないのでいちいち唸りながら分けている。途中でイマイズミコーイチも加わり、かつて見たこともないような真面目な顔をして3人、ドラえもんを分類するの図。多分Hはいい機会だからこいつらに手伝わせて整理してしまえ、とちょっとは考えたと私は思う。


ソーメニーDORAEMONs

 ややあって、Jがポストカードを机の上に並べだしヒロくんに「販売用にサインを入れてもらえますか」と言う。通常版とは値段を変えて12月に売るんだと。彼にとっては一文の得にもならない作業ではあるがサービス精神旺盛なので「じゃ一枚一枚違うイラストとメッセージを付ける」と各種サインペンを使い分けてサインに没頭する。自分はどんなに好きな相手であっても署名して欲しい、と思ったことがまるでない(せっかくなのでついでに、ということは数度あったが)ので全く感覚が判らないけど、欲しい人には嬉しいんだろうなあ。えらいぞ。最後の方はさすがに「もう書くことが思いつかない」とか煩悶してましたが。

 全ての作業が終わり、J達製作のポスターやらなんやらをもらって僕らは一旦ホテルに戻ることにした。毎度毎度で微妙に遅刻しているJ&Hをホテルのロビーで待ちながら明日帰国か~早かったねぇ、とソファに沈む。やがてやってきたJ&Hと合流して夕飯食いに尖沙咀行こう、となったのだが「またフェリーに乗りたいですか?」と聞かれる。僕らはどっちでもいいのでヒロくんに「もっかい乗りたい?」と訊くと「ん~、別にどっちでも」というのでじゃあ手早く地下鉄で行きましょか、と海底トンネルを走る電車で九龍半島側へ。しかしホテルから駅までの道がいまいち憶えられない、明日の出発がちと不安。

 尖沙咀に到着、やっぱ九龍はいいね、と雑多な街並みに浮き足だしつつ煌々と明るい夜道を歩く。途中アーロン・クォックが半裸モデルのフィットネス広告(そこら中にあった)にヒロが狂喜しているので一緒に写真を撮ってさしあげる。韓国ではピに過剰反応していたがストライクゾーンがようわからん。その後ぼくらの前々からのリクエスト通り、Jたちは『糖朝』に連れて行ってくれた。2年ぶりだねえ、とか言って入るとなんか内装がちがう。ここ糖朝?と訊くと「そうだけど、移転して新しくなった」との事。僕らの知っている糖朝はビルの一階部分にこれでもかと詰め込んだ席がいつも満杯、だったのだけれどここは席がゆったりと作られていて高級レストラン風。よく見たら階段があるので自社ビルを建てたのかも知れなかった。青山支店(高い)の売上からでしょうか。中ごろの円卓に座り、メニューを見る。以前はどっかで飯食ってその後デザートだけというコースだったのだがもちろんご飯もあるので今回はしょっぱいものから注文することにした。


ぶれてしまいましてちょと失敗

 鶏の素揚げと卵白炒めと炒飯とビーフン…とか頼んでみるとやはりどうしても緑黄色野菜が足りない。だもんで「この、4種類から選べる温野菜を」と言うとJ、「お二人は本当に芥藍が好きですねえ」とちょっと不思議そうに言う。確かに芥藍も選べるのだけれど何で?と逆に聞くと「一緒に食事に行く度に芥藍を食べたい、と言うのでそれが印象に残ってて」と言う。確かにそうかもだけど野菜メニュー頼もうとするとあんま緑のものがないんだもの。考えずに飲茶とかしてたら全然野菜っぽいものを食べないで終わること、多いし。さて料理が来る。さすが有名店だけあってうまし。さてまたしてもいつ来たのか忘れましたが(ひでえなおい)気付けば映画祭Aも再び参加。これからメインのデザートを、と血圧が上がります。実は密かに日本チーム3人で「これまでおごられっぱなしだから、ここは何としても払おうね」と決めていて、だもんで好き放題に頼むことにした。マンゴープリンにメロンタピオカにマーラーカオに汁粉に…J達も自腹で一人一品と思っているからそれぞれが食べたいものを(豆腐花フルーツ乗せとかアイスとか)頼んだのでやがてぞくぞくと甘いもんが運ばれてくる。香港へはコレをしに来たよなもんである(少なくとも僕とイマイズミコーイチは、そう)からしてうひょひょひょひょひょ、とバカそのものの顔をして匙を入れる。いや~たのしい。

 最初は「マンゴープリンだって日本にもあるし」とかあんま関心なさそうだったヒロくんもまあ食ってみ、と言われて「あ」とその後は全てのデザートに手を出す。最初から口数も少なくなって甘物を吸収しているイマイズミコーイチ共々デザートに集中しだしたが、隣に座っていたJ&Hが僕の方にひそひそ声で「隣のテーブルの3人、あれはゲイです。他にも居ます。この店はゲイだらけです」と妙に嬉しそうに言う。でもそれを今他の2人に言うと一斉に振り返りそうなので止め、しばらく当たり障りのない感じで会話をする。監督&主演はまたしても朝の壊れた会話がぶり返し「アーユーイケメン?」を壊れたレコーダーのように繰り出すので自分はめんどくさくなって可能な限りガラガラ声を作り「ノー(あんたらとは違う)」。ふと見るとJが居ないので思わず日本語で「Jはどこ?」とHに言ったら「Toilet.」と難なく会話が通じてしまった。国際交流は気合いだ蒸しカステラうまい。さて食い終わった。追加に追加を重ねたオーダー票はそれとなく手元に引き寄せてあったのだが、「じゃ、払ってきますね」とレジに向かおうとしたらJ&Hは慌てて「私達が払います」と後を追ってきた。やばい額がわからん、と躊躇している間にHがクレジットカードを出してしまったのでヒロくんに「それ、取り返して」と叫んでその隙にイマイズミコーイチが高額紙幣をレジに渡す、という見事なチームワークで支払い成功、店を出たJが何かを言いたそうな顔をして口を開くのを制して、「これは今日までの感謝の気持ちだから、どうぞ受けて」と言うとJはやや困ったような笑顔を浮かべ、「はい」と言ってくれた。


尖沙咀オンザロード

 もちろんこれからオールで呑むぞー、とかたわけた事を言うヤツは居ないので(Jは酒飲めないし)はあるが最後の夜だからもうちょっと遊んでいこうよ、と誰からともなく言いだし、旺角に行こうということになった。もちろんタクシーで。J&H&イマイズミコーイチ車と映画祭A&ヒロ&自分車に分乗してネーザンロード(たぶん)をひた走る。着いてみたら2台のタクシーは離れた所に止まってしまったらしく映画祭Aが携帯で何やら連絡を取っているがやがて「あっちのビルに居るみたいです」と向かった先にはJとイマイズミコーイチしかおらずあれHは?と聞くと「トイレ行こうとして警備員につまみ出されて、いま別のトイレに行っている」そうでした。香港のこういったビルの共用トイレは一般に開放していないことが多くて、例えば食堂に入ってトイレに行きたければ店の人に鍵をもらって開けて入らないといけない。そういえば自分も小便がしたいのよ、と思うが現地人Hがつまみ出されたんじゃ自分は秒殺であろう。でも立ちションするわけにもいかないので「ぼくもおしっこしたい(五歳児か)」と訴えるとJは「判りました探します」すいません。

 入り口付近にスターバックスの入っているビルまで来て、「多分ここならあります」と言われて何も買わないのにずんずん入ってみたがトイレ無し。ここも共用WCらしい。店を素通りしてビル内部にトイレを見つけたが案の定カギが閉まっている。やっぱ何か買わないとダメなのかなあ、でもこんな時に何も飲みたくないし、と煩悶しているとHがやってきて「Jがカギをもらいました。入れます」と言うので店の近くまで戻ると、手にキーらしきものを持ったJが超うれしそうな顔をして小刻みに飛び跳ねておる。なんだこのおっさんは妖怪か、とさっきまでの尿意が微妙にかすむが、やっとこさ用が足せるのでそそくさとトイレに向かう。自分一人の為にすいません~、と思っていたらあれ、あらかた全員入ってきて放尿しているので一句「済まなさも中くらいなりモンコック」。しかしこのシステム、ちょっとトイレの前で待っていれば誰かが入ってくるのに便乗出来るのではないか、と思いました。


にゃ?

 旺角には「女人街」というこないだの廟街(テンプル・ストリート)に似た観光名所出店街があるのでまずはそこへ。しかしもうすぐ深夜12時(現地時間)なのでどの店も店仕舞いの準備を始めているのでこっちもいきおい駆け足になる。入ってすぐの店でHがトランプに引っ掛かり(彼はトランプコレクターだそうで、このオタカップル)、通り抜けてみれば結局Hが買ったトランプ数組が僕ら一行の購入品全てでした。しかし時計かなんかなのか、そこら中で「イミテーション、ニセモノ」の声が掛かるのには参りました。キャッチコピーが「偽物」ってどうなってんのだ、全部成田で没収だぞ。あっという間に女人街を抜けてしまったので、営業中の店まだまだ多し、の通りをぷらぷらする。こういうのが一番楽しい。「私はここから5分くらいの所に住んでいます」とうっかりJが言ってしまい、僕らが「じゃあ行こうよ」と言うとJは慌てて「両親がいますので」「じゃあなおさらご挨拶を」「もう寝てます~」「構いません枕元でご挨拶を」とバカ日本人ズは調子に乗り、ついでのように車に轢かれそうになる。ほらほら前見て。


もう食えません

 その後もDVD屋に入っていったヒロくん&映画祭A&Hを待つ間に路上で猫を連写したり、臭豆腐(豆腐を発酵させたもの、くさい)を揚げている店先にトウモロコシ食ってるブッシュの写真貼ってるイカした有名店(蒸かしトウキビも名物らしい)を教えてもらったり、Jの影響(に決まっている)かやたらパンダが気になったりそこら中の映画館に入ってみたりと、くだらなくもたのしい夜の散歩は続きましたたが、そろそろ帰ろうかね、とバス停に向かった。こんな深夜なのにまだ運行している二階建てバスに乗りホテルのある灣仔までを走る。今回はもちろん酔いませんでした。トンネル好きな自分は海底をくぐる間中ずっと揺れる車内で撮影をしていました。灣仔に着き、ヒロくんが「香港のゲイ雑誌を買いたい」と言っていたのでJが「それなら事務所の近くの露店が一番品揃えしてます、特に夜が狙い目」と通なことを言うのでその「お勧めの店」に行ってみる。今回編集者にも会えた「DS」などのフリーペーパーとは棲み分けも全然ちがうらしくて売っているゲイ雑誌はあからさまにポルノ、ビニ本である。下手をするとコンビニにも置いてあったりするがその他ノンケ用ポルノと同じく18禁エリア、ただし修正は日本より緩い。沢山あんじゃん、と思ってよく見ると「2000」とか書いてあってバックナンバーも置いているせいで量はあるが最新のものは少ない。「まあ資料なんで」とヒロくんはご予算内(一冊が結構する)で買い求め、あれイマイズミコーイチは、と見るとコンビニでアイス買って食ってたりしておる。これにてお買い物、終了。


取りあえず「Hong Kong Walker」ってのは…

 ホテルのロビーに到着、「とても申し訳ないのですが多分起きられないので、ヒロさんとはここでお別れです」と現地の3人は言う。そう、行きも別便だったが彼だけ飛行機が朝早いのだ。「起きてくださいね、なんなら何度でもモーニングコールしますよ」と映画祭Aは言うのだが大丈夫、フロントに頼むよ(と言いつつJに言ってもらった)。現地3人+ヒロの写真を撮って、じゃあせっかくだからフロントの人にみんなで撮ってもらおうか、とか言っていたのだがどこでどう話が行き違ったんか僕らがちょっとエレベータの方に寄った途端に現地3人は「ではお元気で、さようなら」とか何とか言いながら見送ってくれてしまい、あれれ帰っちゃった。予想されたようなカンドー的な涙のお別れにはならず、エレベータ内ではヒロがえんえんずっこけていた。このはぐらかし具合、げに粋ですなあ。

 一旦僕らの部屋に3人で入って、ヒロくんの飛行機を最終チェック、起床時間を決めている間にさっき買ったゲイ雑誌を早速開けてみる。なんか日本のエロビデオのキャプチャー画像多し。最終的に残った香港ドルを確認し、ヒロくんの空港までのお金が足りなそうなのでまたちょっと両替しておやすみなさい、明日は僕らも見送りで一緒に起きるけど、荷造りしておいてね。このあと彼の部屋の電気が問題なく付いたかどうかは…忘れました。


2007.1121 香港へ
2007.1122 第一回上映、オープニングパーティー、取材1件
2007.1123 被取材4件、第二回上映(追加上映)、取材1件
2007.1124 取材1件
2007.1125 被取材1件
2007.1126 帰日