2007.0904, tue

 さておたのしみ朝ご飯(他に重要なことはないのか…)、チケットには「コンチネンタル」「インドネシアン」「アメリカン」とあるのだがフロントでは何も聞かれず「アメリカン」にチェックが入っている。まあいいや、と券を出すと、ジュースがいいですかフルーツにしますか卵はスクランブル目玉オムレツのどれにしますかハムベーコンソーセージのどれにしますか、とか細かく希望を聞いてくれる。寝ぼけた頭で必死に(他に重要なことはないのか)考えてお返事して、やがて運ばれてきた朝食はけっこうしっかりした量でうまい。パンにバターとジャムが付いてくるのだがそれが毎回パイナップルジャム、ってあたりが南国か。

 食べ終わって、さて今日は何も予定無いぞ、と腑抜けたまま水着に着替えてプールで泳いだり浮かんだり沈んだり日光に当たったり。イマイズミコーイチはほとんど寝てました。ここのプールは浅い方(多分子供用)は日なた水のようにあったまっていて銭湯のようで、しかもちっちゃいバスケゴールが取り付けられておりそこにまた申し訳程度に「DALLAS」とか書いてあって微妙に不愉快だが、そこから反対側のプールサイドに向かうに従って深くなり、背の低い自分は頭まで沈没してしまう。最初部屋に忘れてきたゴーグルをやっぱ、と思って持ってきて、掛けて水の中で遊んでいたら田口さんに「どう見ても怪しい」と言われてしまった。田口さんは水中撮影キット(これがまたハイテク)にカメラを入れて撮影をしている。自分のにはもちろんそんなものはないので陸から浮かぶ人を撮ったりなど。プールサイドではここの飼い犬らしい真っ黒な親犬子犬がうろうろ、過度になつくでもなく逃げるでもなく、居たり居なかったり。


わんこ、水辺にて

 4時頃になってプールにも飽きたので引き上げ、部屋に戻ってから散歩に行くことにする。昼間なのでさすがに例の"Q Bar"もその他ゲイバーもまだ営業していないので(でも入り口が開いている)呼び込まれることもなく気楽に通り過ぎる。途中でイマイズミコーイチが「昨日買ったヘルメットにはゴーグルが付いているべきだ」と言い出してその辺のやっぱりヘルメット(さらにすごいのがあった。モヒカンみたいな角が一列付いてるのとか)他を売っている店に入ってゴーグル付きのヘルメットを指さし、「ゴーグルだけくれ」というと店のおっさんは奥から新品のゴーグルを1個取り出し、持っていた電卓にrp.250,000(約3,250円)という値段 を提示するので何これヘルメットとあんま変わんねえじゃん、とイマイズミコーイチはおっさんから電卓を取り上げてクリア、rp.25,000(約325円)と押して差し出す、するとおっさんいきなりクネクネしだし「ダァメ~~ェン(どこで憶えたそんな日本語)」。やや唖然とするが、まだまだ高いことを言うおっさんとイマイズミコーイチの闘いは続く。時間は充分過ぎるほどあるし、ここがダメだったら昨日の「アジノモト」の店だってあるしね、と強気である。電卓ポチと店に木霊する「ダァメ~~ェン(だからどこで憶えたんだよ)」がしばし続いた後、やっと「2つで」rp.100,000(約1,300円)で「もう、下がりません」と言うことになったようだった。まだ高いよなあ…とイマイズミコーイチはぶつぶつ言っていたが。

 道なりに来て交差点に突き当たり、どうしようか別に目的も無いんだし、じゃあ回れ右、とパッと見で店が多そうな方を選んで歩き出す。日差しは強いけど地面からの熱はあまりキツくない。商店の前には(モダンなブティックの前にも)何かお供えのようなものが出されていて、葉っぱか何かで編んだ小さな器に花や煙草やお金などが盛られている。でもそれは歩く人に踏み散らかされていたりもする。

 しばらく歩くとスーパーマーケットが見えてきた。入っていい?と自分が言うといいよ、と言われたのでわーい、とか言いながら店内に入り、かなり広大な店内を駆け回る。店は二階まであって一階が主に食料品と洗剤や嗜好品、二階が日用雑貨+ちょっとした衣類や本などが置いてある。昨日海へ行ってやっぱビーチサンダル要るね、と痛感した自分はサンダルを探す。結構品揃えしている。昨日の夜にホテル近くの別のスーパーでも見たのだけど、閉店間際だったので選べなくて諦めていたのだった。お値下げ品、とかいうややしっかりした作りのを選んでコレ、と店員さん(なんかいっぱいいる)に言うと伝票のようなものを書いてくれ、サンダルに挟んで渡してくれた。これ見てレジを打つらしかった。その他にも魅惑的な商品は様々あり、ほえ~、とか溜息をついていると田口さんが息を切らせてやってきて、「これ欲しい」と言うので見るとそれはアルミ製の鍋、日本語で「ヂヤワ」というロゴのラベルが貼ってある(笑った)。確かにいいですけど、持って帰るんすかコレ、と言ったら田口さんはううむ、と唸ってそうだよねえ、でも欲しいなあ、とか言っているウチに同じメーカーのもっと小さい器を見つけ、コレならいいんじゃない、とイマイズミコーイチも一緒になって選び出す。田口さんは「これを蚊取り線香の灰皿にする」と小さめの浅皿をカゴに入れ、靴下も欲しいんだよなあ…とか言いながら気付けば「普段のお買い物」になっている。


ヂヤワ

 一階にも衣類が置いてあって、見たら「BINTANG」ビールのロゴが入ったTシャツなどがある。上の階にはビンタンビールグラスもあったし、もしかしてビールメーカーがやっているスーパーなのか、と思って階段の手すりを見るとそこにはビンタンビールの赤いマークがあって、やっぱそかも。後で店の入り口をよく見たらちゃんと「Bintang Pasar Balanja」と書いてあった。イマイズミコーイチはTシャツを買っていたが、自分は小さいサイズがないので止め、田口さんはバリシャツではないけどそんなテイスト柄の開襟シャツを買っており、カゴの中身はどんどん増えていく。一階には酒を置いているのでなんか買おうか、でも重いからホテル近くのスーパーでいいか、とつらつら見ていたら棚に「HATTEN WINE」とかいうものがあるのを見つけてしまった。ワインなのは判りますけど、ハッテンって。と言うわけで田口さんはそのワイン(瓶は重いので、紙パック)をカゴに入れ、そろそろ帰ろうか、とお会計。

 頼んだシャツに値段が付いていないとかいろいろあってやたらレジが手間取ったものの、自分は大して買っていないので(サンダルとビールグラスくらい)先に会計を済ませて待っていると、出口近くに募金箱があるのに気付いた。あ、と思いついて財布をさぐり、ジャカルタの路上で数度拾った硬貨を取り出す。何度も車に轢かれてほぼ原形をとどめていないアルミ貨を4枚、ここに入れさせてもらうことにする。多分商店では受け付けてもらえないだろうけれど、募金だったら銀行で換えてもらえるんじゃないかな、と望みを託してrp.200(約2.6円)を「寄付」。休日に友人招いてのホームパーティの準備、並みに膨らんだビニールを下げ(僕じゃありません)店を出てふう、と息をついてから帰路へ、最初は一旦ホテルに戻ってから海に行こうと言っていたのが、戻っていると日没に間に合わないので大量の荷物を持った2人には申し訳ないのだがそのまま海へ。およそこの島とせかせか歩くのは似合わないのだが夕日夕日、と言いながらホテルの前を通り過ぎ「ヤアーイッパイ買ッタンデスネェ」とか声掛けてくるタクシーの勧誘をぶっちぎって「砂浜の海へ(引用ケツメイシ、でも白くないけど)」


インド洋に沈む

 雲が出ているので太陽はその切れ間から出たり入ったりしているが、まだ完全に水平線の下には行っていない。急いでさっき買ったサンダルに履き替えほんの数分間、日が沈んでいくのを眺めていた。イマイズミコーイチと田口さんは砂浜に座っている。「たいへん、まんぞく」した自分が戻ってくるとイマイズミコーイチ「波の音がα波効果でリラックス」などと訳の判らないことを言うが、リラックスならいいでしょう、とすぐに暗くなってしまった海辺を後にした。海にはやっぱビーサンだね。部屋に荷物を置いて(パチンコで勝った人のよう)、また別のスーパー行ってビールと水、部屋のミニバーのに手を出しちゃうと高いから。自分はビンタンでもバリハイでもない謎のビール(缶が赤いのでコーラみたい)を買ってみた。店の壁にはかわいいヤモリが這っていた。

 さて散財というか衝動買いというか6桁ルピアのお買い物(僕じゃありません)もしたし、後は夕飯、とまたプールサイドのレストランへ行く。道々レストランはいっぱいあるのだけど、どこが旨くて安いのか判らないしここでいいよね、と席に付いてその辺にいた男の子に合図したらその子は注文を取る係ではないらしく、女の人がオーダーを取りに来てくれる。彼女は日本語もちょっと話すのでたのしく注文して、自分は昨日のちょっとふやけたご飯を避けるべくナシゴレン(炒め飯)、田口さんは「カレー」と頼んでみたら「すいません終わっちゃった」そうなのでオーダー変更で何でかタイ、トムヤムクンライス。イマイズミコーイチはこれまた何でか「チーズバーガー」とか言っている。いや~何もしなくていいのはいいねえ、とゆっくり飯を待つ間にも僕らはやっぱりビールをたしなんでおり、全然実務的でない話ばかりをしていたのだがそのうち田口さんが出会ったここの可愛いスタッフ♥くん、それは誰、と言っていたら何のことはない、さっきの「自分はオーダー取れません」の子だったのだった。「昨日来たときにすれ違ったらね、ニコッ、て笑ったんだよ」と非常にうれしそうに言うので自分は「どのスタッフも誰にでもニコッってしますよ」という言葉が出そうになるのを何とか押さえ、「じゃあジャカルタの可愛いちゃん♥はどうだったんですか」と聞いたら「スーパー行って、何かやる気なさげ~な店員がいてジャマ、とか思ってたらこっち見てニコッ、て笑って」…なんだ同じか。とは勿論言わずに「じゃあじゃあセマラ(ジャカルタのホテル)にいたとかいう可愛いちゃん♥#2くんは」「灰皿下さい、って言おうと思って英語が出なくて煙草の灰を落とす真似をしてたらニコッ、て笑って『インドネシア語では"アスパ"って言うんだよ、』って教えてくれた(から憶えた)」「じゃあじゃあじゃあトランスジャカルタで乗客整理をしていた可愛いちゃん♥#3くんは」「じゃあじゃあじゃあじゃあ一昨日のタクシーで(中略)♥#4くんてのは」と言いだしたら誰がどの人なのかが良く判らなくなり、それよりも自分が書く文章の一段落中に都合6つもの♥マークがぷりぷり飛んでいるのも異常な事態ではあるがとにかく満喫しておられるようなので良かった。ほんとよかったぜ。


あつらえたようにピッタリ

 部屋に戻り、田口さんの部屋にお邪魔してまたお酒をいただく。僕らもビールを持ってくる。早速今日買ったアルミ皿に蚊取線香を乗せ(このホテルはあらゆるところに隙間があるので蚊が入ってくるのだ)、これまた先ほど購入した「ハッテンワイン(赤)」を開けてみる。普通においしい。ラベルを見るとバリで作っているワインらしいが、多分ここの人はワイン自体をあんまり飲まないのだろう、スーパーにはこれ以外ワインは全部輸入物でしかも高く、大して種類もなかった。酔うほどに話はエンドレスになり、大概は忘れてしまった。


WINE "HATTEN"


2007.0830 ジャカルタへ
2007.0831 ジャカルタ第一回上映+写真展
2007.0901 ジャカルタ第二回上映  ↓
2007.0902 ジャカルタ第三回上映+写真展撤収
2007.0903 バリへ
2007.0904 オフ一日目
2007.0905 オフ二日目
2007.0906 バリ第一回上映
2007.0907 帰日