2008.0217, sun
午前7時に起きる。日本時間だと午後3時だが幸い時差ボケにはなっておらず、順応力が高いのかただ単に不規則なだけなのか、いくらでも寝られるのではあるが今日は確実に起きないといけない。昨夜大量のパンフレット・雑誌類と格闘しつつ収納したスーツケースはもう絶対家に帰るまで開けたくない感じに無理矢理詰まっており、そして無茶苦茶重い。昨夜は夕飯が大量だったし、あんまりがっつり食っても飛行機で具合わるいかなあ、と控えめに食事を摂っているところにマティアスがのそ、とやってきた。期間中借りていた携帯電話と充電アダプターを返して、僕らが食べ終わるまで待っていてくれる。8時になるとソフィーがやってきた。「空港までは近いですから、急がなくて大丈夫ですよ」と言ってくれる。食べ終わってチェックアウトし若干の電話代を現金で払ってそろそろこのホテルともさようなら、いいホテルでした。六本木にも支店があるらしいけど。
部屋からの朝焼け、右のビルにマティアスは住んでいるらしい
ホテルの前でマティアスとお別れ、最後になって「忙しくてあんまり一緒にいられなくてごめん」と言われる。いいけど、今度から取材でビデオカメラが入るかどうかは事前に教えてね。彼と記念写真を撮り、ソフィーとタクシーに乗り込む。マティアスが自宅に帰っていく(近所)後ろ姿を追い越して、大変快晴の中を車は走り出す。途中ソフィーが「昨夜、映画を観た両親は『可愛い映画だね』ととても喜んでいました。冒頭ではちょっとびっくりしたみたいですけど」と言う。ははは。タクシーはサービスなのか、ジーゲスゾイレの真下を通り、やっと間近に見ることが出来ました。
テーゲル空港に到着して、ソフィーが僕らの乗り場を探してくれる。自分らの乗る飛行機はオーストリア航空なのだが、カウンターは何故かルフトハンザになっていて、でも時間も行き先も合ってるしな、とソフィーに確認してもらうと「大丈夫です、共同運行便のようです。ただチェックインがまだ始まっていません」だそなので一応並んでみるが、僕らがカウンターに到達(けっこう並んでる)した時点でもまだ「ダメ」なんで諦め、到着時にお世話になった空港のベルリナーレカウンターに行く。その時にも会った台湾の女の子がいてお疲れさま、今日までですねえ。荷物を預かってくれるというのでご厚意に甘えて身軽になり、スターバックスまで行ってお茶をのむ。しかし高い。寝起きのうすぼんやりしたままの頭では「あ~320えん」とか思って見てしまうがもちろん3.20€ (515円)なのであって油断は禁物である。
"Ausgang"って地名かと思ってましたが「出口」の意味でした
そろそろよかろ、と映画祭カウンターに戻って荷物を出してもらう。あ、ここに貼ってあるベルリナーレのメインポスター、もらってもいいかなあ。マリアには頼んでおいたんだけど結局バタバタしていて会えなかったからもらえてなくて、ダメもとで責任者っぽい男性にお願いすると「いいよ、大小2枚貼っているけどどっちがいい?」と聞くので「あの、出来れば両方…」と言うと一瞬怯んだものの「オーケー」ということで剥がしてよし、の許可が出た。なかなか取れないセロテープ(薄いのに強力)と格闘しているおかしなアジア人を見掛けた通りすがりのおばはんがスタッフに「あらこれタダで持ってっていいの?」とか聞いているが彼は「彼らは映画祭に参加した制作者で(とほほ)、入手出来なかったので特別、ポスターを欲しかったら土産ショップで買わないといけません」と説明してくれている。すいませんお騒がせしております。更に内側の小さい方を剥がしていたらまた別の男性が自分に「何してるんですか」と聞いてくるので「あの、あそこの人に許可をもらってます」と言ってまた説明してもらうと「そうか、ならいいけど」ということですいません、大変お騒がせしております。もう帰りますんで。
おそらく同じ柄のポスターの中でも一位二位を争うくらい色んな人の目に触れたであろう二枚をもらい(角がちょっと破れたが)、ルフトハンザのカウンターに戻る。やっと発券が始まっているがもう出発まで一時間を切っています。余裕だなあ、とまたけっこう並んでいる列に並び直し、すいませんちょっと荷物をお願い、とイマイズミコーイチと自分は煙草を喫いに外へ出て、やでやで帰るかね、と力が更に抜ける。ついでにもう使わないだろう、と結構残った2人分のユーロ(テッペンくんはほとんど残ってないからいい、と言っていた)を両替したら小銭は受け付けてくれるが日本円の用意が万札しかないらしく、一万円以下相当のユーロは返ってきてしまった。ハンパ。
チェックインをしたらすぐそこは乗り場で、なのでここでソフィーとお別れ。ありがとう、日本に来ることがあったら知らせてね、と約束してゲートをくぐり、最後まで見送ってくれている彼女に手を振った。さてまず目指すのは、ウィーン。
ウィーンなのでザッハトルテ
ウィーンにはあっという間、で着いて乗り換えに余裕があるが、お茶するくらいかな。出国審査を済ませてハーゲンダッツなども入っているフードコートに行くとそこは喫煙可だったので、お茶とケーキを買って日当たりのよい席に座る。窓からは飛行機がたくさん見える。あ~動きたくない、というかわたくしは風邪を発症しています。しばらくしてトイレに立ったイマイズミコーイチがなかなか帰ってこないので気を揉んだりしつつ、そろそろ出発時刻になったので腰を上げる。これから10時間以上のフライトだ。席がバラバラになってしまったので(真面目に二時間前に行った意味がまるでなかった)それぞれが自分の席に座るが、飛行機が動き出しても自分の左隣の席は空いたままで、キャンセルかも知れない。キャビンアテンダントさんに「あの、空席だったら隣に人を呼んでもいい?」と聞くと「もちろん、いいですよ」と言ってくれたので食事の後でイマイズミコーイチがやってきた。行きもそうだったけど帰りもそんなの乗ったという感覚はなく、しかも時差のせいで朝に発って朝に着く(ただし翌日)のであまり長旅という感覚が起きない。さすがに疲れてはいるけれど、着いた東京も快晴で、これにて初渡欧終了。成田の両替所は小銭を受け付けてくれず、セント硬貨ばかりが手元に残った。
2008.0211 ベルリンへ
2008.0212 プレミアまで
2008.0212 プレミアから
2008.0213 オフ、撮影1件、被取材1件
2008.0214 上映二回目、Teddy Award
2008.0215 上映三回目、被取材1件
2008.0216 上映四回目
2008.0217 帰日