2023.0918 星期一
フレームライン(サンフランシスコ国際LGBTQ+映画祭)のプログラムが発表されてから10日も経っていない5月の後半に香港レズビアン&ゲイ映画祭のスタンという人からメールが来て、自作短編『犬漏(SOLID)』プレビューのリクエストだった。この映画祭にはイマイズミコーイチの監督作で何と西暦2000年から何度も行っているし、映画祭ディレクターのジョーや映画祭創設者のレイモンド(レイ)を始め友人知人がたくさんいるのだけどこの人は知らない。まあ前回の『伯林漂流』上映が2017年なのでもう6年も経っているし、スタッフも入れ替わっているのだろう。プレビューリンクを送ってしばらくして、6月のサンフランシスコに行く少し前にそのスタンから「おめでとうございます!幾多の応募作の中でもあなたの短編にはなにか抜きん出たものがありました」というテンプレートみたいな選ばれましたメールが来て、テンプレ落選メールばかり見慣れた身には何だか可笑しいが、ともあれアジア圏は台湾に次いで2つ目、2021年の世界初公開時の台湾はコロナで行けなかったので香港は行ったれ、とスタンに「行きます」と言うと「申し訳ないながら短編作家には旅費が出せないのだけれど、それでも良ければぜひ」という返事、同時進行でディレクターのジョー・ラムに「映画祭行くよ」とメッセージすると提携ホテルのディスカウントは出せるけど、と言ってくれたがそれでも結構なお値段なのでありがたく断り、佐敦(ジョーダン)にあるAirbnbの部屋を取ることにした。まあ香港なら外食には困らないし個室で寝られてトイレとシャワーがあればそれでいい。
飛行機はHKエクスプレスというLCCが一番安かったのでそれにして、問題は現地通貨の調達で、まあ香港ドルに限ったことではないけどずいぶん高くなっている。前回は1HKDが14円台だったのに今ではほぼ19円。判りやすく言うと100香港ドルのものが以前は1,400円で買えたのが今では1,900円出さないと買えないということです自民党と公明党のバカ。仕方がないのでヒマだけはある自分はヤフオクとかメルカリで売りに出されている香港ドルのうち、為替レートより安いものを買い漁り、かつその中に含まれている古い硬貨(エリザベス女王の肖像が刻印されたものなど)をより分けて「ヴォンテージ・コイン」として売りに出し、その差額を繰り入れたりしたら計算上レート1HKD=14円台で1,000香港ドル弱の現金が手元に用意できた。ただしかなりの硬貨が含まれるので現地に行ったら早めに使わないと重くて仕方がないので与党のバカが全部悪い。あとはたまたまソニー銀行が海外で自分の外貨預金口座からデビット決済をすると10%キャッシュバックされるキャンペーンを9月末までやっていたので香港ドル口座を作っておく。
エリザベス二世女王陛下硬貨っっっ(売り物)
出発当日。フライトは午後4時くらいなのでたらたら普通電車を乗り継いで成田空港第2ターミナル。機内食のオプションは付けなかったので水だけ頼んで後はひたすら眠る。3席の並びを2人で使えたのでイマイズミコーイチは横になっている。香港国際空港には8時半着。空港駅のカスタマーサービスで香港の交通系ICカードのオクトパスを入手する。初回購入時は200ドルでうち50ドルがデポジット、残り150ドル分が交通運賃などとして改札タッチで使える。電車だと15%ほど割引運賃になるし、バスでも使えて便利なので自分も今回は利用することにする。しかし購入もチャージも何故か現金のみでクレジットカードも使えない。どうも香港はあんまりキャッシュレス化が進んでいないようだ。スマートフォン内蔵のヴァーチャルカードにしちゃえばクレジット決済でチャージできるけど、これも物理カードでは無理。自分は必殺コイン払いですいませんすいませんと言いながら大量の硬貨を含む初回分の代金を出す。窓口が混雑していなかったせいか係の人もちゃんと受け取ってくれました。イマイズミコーイチはかなり前に買ったオクトパスカードを持っているのだけど、2017年に来たときにあまりに古くて使えません、と言われてそのままにしていたので払い戻しができないか聞いてみたところ、「このカードは古すぎるのでここでは処理出来ない。市中の駅に持ち込んで払い戻してくれ」との事でどうやら払い戻し自体はできるらしい。イマイズミコーイチの新オクトパスカードも買ってから空港内で夕飯にすることにする。
割高な料金を払って機内食を頼むよりは、とちょっと空腹を我慢して向かったのはシンガポール発のレストラン「翡翠拉麵小籠包(Crystal Jade)」、担々麺と小籠包を頼んで食べる、うまい。店はさすがの繁盛であまりゆっくりは出来ない感じなのだけれど、ここで市中に出るまでのエアポートエクスプレス片道を無料にすべくスマートフォンを手に奮闘する。が、これがなかなか面倒。香港観光局は今「香港グディーズ」というキャンペーンで訪港外国人観光客向けにショッピングなどで使える100HKD分相当のクーポン券などを配っており、引き換えられる特典にはエアポートエクスプレス(機場快線)の空港〜香港駅までの片道チケット115ドル相当もあるのでこれが使えれば香港駅まで無料で行き、中環駅で地下鉄在来線に乗り換えて佐敦まで行くのが一番楽で安上がり…なはず。手順としてはまず日本にいるうちに観光局でアカウントを作っておく→香港空港出口の手前にあるカウンターで配ってる香港グディーズのカードをもらう→カードに記載のQRコードをスキャンして自分のアカウント内にあるウォレットに特典を追加→サイト内の特典交換先からエアポートエクスプレスを選んでクーポンに変える(有効期限は今日の23:59まで、と表示が出る)→クーポンを使ってクーポンコードを表示させる(この操作は見当が付かなかったので駅のカスタマーサービスでやってもらった)→鉄道会社のサイトにあるエアポートエクスプレスの購入ページで行き先を選択し、途中このパスワードみたいなコードを入れて適用すると価格が0円になる→自分のメールアドレスも入れて「購入」を確定し、メールで送られて来たQRコードを使って乗車(ちなみに乗る時は改札も無いのでそのまま乗れてしまう。)→降りる駅で改札にこのQRコードをかざすと出られる(のだけど自分らは一発でスキャンされずに手こずった)ようやく115HKD浮きました、という話で疲れた。
オクトパス(八達通)カード
エアポートエクスプレスは流石に快適であっという間に到着して、地下鉄に乗り換えて海底トンネルを渡り九龍半島側の佐敦駅で降りる。ここまではほぼ室内だったので空調が効いていたけれど、出口を出ればそこは一気に蒸し暑い夏の陽気。東京も大概だったけど同じくらいのヘヴィーさである。近くにあった店では500mlペットボトル入の鐵觀音茶が5ドルだったので小銭を駆使して買ってから、借りた部屋のホスト提供の住所番地で検索したiPhone上のグーグルマップを頼りに進むが、前回のサンフランシスコ同様どうもGPSが甘いような気がする(道の反対側に居ることになっているとか)。すごく近いのは確かなのに、肝心のビルが特定できない。近所にある店やビルの入口に何度も飛び込んで住所を見せて聞いては「ここではない、だがすぐ近くのはずだ」という答えしか返って来ず、やがてイマイズミコーイチは疲れ果てて道にへたり込む。やがて自分はエアビーに載っている写真のビルを見つけたが、ビル名が違っていて番地も明記されていない。でもここしかないだろうと入ってみるとやはりここのようでした。エレベータで8階まで上がりとそこにはサイトに記載された番号の部屋もちゃんとあって、オートロックのドアも記載通りの番号(ドアノブ自体が番号を入力するタッチキーになっている)で開いた。それにしても疲れた。
部屋は奥に2段ベッドのある寝室、手前がソファのあるリビングでその手前がバス&トイレ、なのであるが狭いうえに圧倒的な量の物(おそらくオーナー私物)があるのでまるで親戚の家に来たみたいな感じである。初日なので最低限の使い方だけ理解することにして、幸いよく効く冷房のスイッチを見つけられたのでシャワーだけ浴びて早めに寝ることにする(自分は上段)。明日はいきなり上映日だし。
つかれたねえ
目次
2023.0918 出発までと出発当日、香港到着
2023.0919 M+、『犬漏(SOLID)』上映
2023.0920 香港故宮文化博物館、ディック、映画1本
2023.0921 マカオ
2023.0922 エイドリアン、パトリック、映画2本
2023.0923 映画1本、映画祭クロージングパーティー
2023.0924 ジョナサン、クリフォード
2023.0925 帰国
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