2023.1206 Mittwoch

 ウィーンでポルノ映画祭をやっている友人ヤヴスから夏ごろにfecebookで「Queer Shorts Vienna」という新しい映画祭をやるのでいいね押してね、とリクエストが来たので応募ページを見たところ応募費無料で、まあ初めての映画祭だし応募作品は多いほうがいいだろう、と自作短編『犬漏/Solid』を応募してみたら選ばれてしまい、ああでもこのためだけに欧州に行くのは(円安だし)厳しいかしら、と思っていたらベルリン在住の映像作家で友人のポポ・ファンから「いま自分がプログラマーとして関わっている映画館の上映シリーズで『すべすべの秘法』をやりたいと思っているのだけど、共同でキュレーションしているタイ出身の監督にも見せたいのでプレビューを送って欲しい」てなリクエストが来てこれはひょっとして、とついでに『犬漏』も観てもらったところ「すごくいいと思う。2本併せて上映しよう。旅費は出せないけどもし来るなら上映料にゲスト出演料を上乗せする」と言われ、したらウィーンとベルリンの上映日が近かったら廻れるだろうか、と双方に確認したところウィーンが12月8日、ベルリンが14日なので日程的には行けそうだ円安だけど、と安い航空券を探すが周遊は高くつくのしかないため環境に悪いと思いつつ東京〜ベルリン往復とベルリン〜ウィーン往復をそれぞれ取ることにする。で東京〜ベルリン最安は北京経由(そこで8時間待つ)でそこからフランクフルトを経由してベルリン、しかもフランクフルトで入国手続きとセキュリティチェックをしなくてはいけないのに乗り換えが1時間ちょっとしかなく、帰りも同じようなパターンでミュンヘン経由、こっちは更にひどくて乗り換えが55分(の間に出国とセキュリティチェック)というリスキーなチケットでこんなもん売るなと思うのですがこの値段で行けたらいいよねえ、と恨めしく横目で見つつより常識的なルートのターキッシュエアラインズ、イスタンブール経由にしました。ウィーン往復はオーストリア航空、久しぶりにLCCじゃないけど有料の座席指定はしないで運任せで行きます。

 4年ぶりのベルリンなので友人知人にできるだけ会うべく各方面に連絡を取りつつ、悩ましいのはやはり現地通貨の準備で、自分はユーロが安かった頃に貯めた外貨預金がそのままデビットカードで使えるのでカード決済の場合はそれでいいとして、それでもキャッシュは要るのだけど前回の香港ドルとは違ってユーロ現金はネットオークションで安く手に入らず(素直に空港で両替するのと変わらないレベルの値段になってることが多い)、そこでドイツマルクかオーストリアシリングの旧通貨を集めてそれぞれの中央銀行に持って行ってユーロに交換するのはどうだろうか、と思いつく。他のユーロ導入した欧州諸国の大半とは違ってドイツもオーストリアも無期限で旧通貨からユーロに交換しつづける方針らしいのだが、似たようなことを考える人はもちろんいるので特にドイツマルクは競争が激しくて高くなっており、オーストリアシリング一本に絞って集める。あとは母親の友人で昔はよく海外に行っていた人にダメ元で聞いてみたところ、御本人も忘れていたそうですがユーロ含む外貨を結構お持ちで「多分もう行くこともないから」と現在のレートよりかなり安く譲ってもらえたので後はポポが着いてすぐに上映料を払ってくれるというし、このくらいでいいだろう。


このくらいにしといたるわ(1,700墺シリング)

 結構早い時間の便なので始発くらいの電車に乗って成田へ、ちなみに自分のスーツケースの半分くらいは現地友人に渡す菓子類で埋まっています。ターキッシュエアラインズのウェブサイトで事前に連絡先メールアドレスを登録しようとしたのだけど毎回エラーになってしまうので諦めてオンラインチェックインもせずにそのまま空港に行き、カウンター前の自動チェックインマシンを操作したところ席に余裕がありそうなのでイマイズミコーイチと順番で登録してベルリンまでの2便をどちらも並びの座席で(無料で)取れました。搭乗までは特に問題なく、いつものように過ごす…と言いたいところでしたが自分はうっかりターボライターを持ってきてしまい、預け入れも手荷物持ち込みもできませんと言われて泣く泣く放棄する。さてこれはこの後の帰国便まで毎度毎度目にすることになった光景なのですが、持ち込み手荷物を最大サイズめいっぱいギリギリの(ハード)キャリーケースで持ち込んでいる人が多くて、まあ自分も最大サイズのバックパックなので他人のことはまったく言えませんが、荷物棚に入らない人続出で毎回揉めてる。場合によっては本当に入らなくてビジネスクラスの方まで持っていったりもしてましたけど、あまりにこういうのが続くといずれ最大サイズの規定が小さくされるんじゃないでしょうか。成田からイスタンブールまでは13時間ちょっと、自分は調子に乗って映画を3本も観てしまいました。機内食はけっこう旨いのですが、何故か妙にトレイが小さくてすごく食べづらいのが難でした。初めて降り立つイスタンブール空港はとにかく広くて歩いても歩いても「→国際線乗り継ぎ」のサインがどこまでも続くのに肝心の乗り継ぎ口が見えてこない、という不条理劇みたいな景色が展開し、諦めかけた頃にやっと入り口が見えたのでした。ああつかれた。


そういや今年はトルコ共和国建国100年

 続くベルリンまでのフライトは3時間ほど。でもかなりしっかりした機内食が出るので助かる。現地に着くのが夜の9時半と遅いので、お腹が空いてもそこから食事に出かける…というのはちょっとキツい。到着したベルリン・ブランデンブルグ国際空港、思えば2008年に初めてベルリンに来た時に使ったのはテーゲル空港で、現地の人からは「新しい空港ができてテーゲルはもうすぐ廃止されるから、あなた達が使うのは最初で最後かもね」などと言われて10年以上、建設工事はトラブル続きで遅々として進まず、恐ろしいことに自分らがパンデミック前の最後にベルリンに行った2019年時点でもまだテーゲル発着だったのでしたが、その間ドイツの友人に「ところで新空港はどうなったの?」と聞くとみな一様に不機嫌そうな顔になって「さあ(私に聞かないで欲しい)」と言うばかりになっておりました。2020年についに開港(やったね!!)した新空港は無駄にだだっ広くどっちを見ても同じようで、あまつさえ同じ場所に「→出口」と書かれたサインが2方向に付いていてどうせいいうんかわれ、と困惑し、イマイズミコーイチは早くも「この空港は嫌い、テーゲルに戻りたい」とぶつぶつ言い出す。ついでに税関チェックでイマイズミコーイチが持っていた超過分のタバコに追徴金が取られてしまってワンワンワワン、ワンワンワワン。

 新空港は旧東ベルリン時代からあるもう一つの空港、シェーネフェルトを拡張したもので、テーゲルに比べて自分らがこの空港を使う頻度は少なく、今回もいつも泊めてくれているライナーさん宅にご厄介になるのだけどそこまでのベストな行き方がいまいち判らん、と現地の友人カタリーナに愚痴ったところ「じゃあ迎えに行く」と言ってくれて、申し訳ないとは思いつつ初回だけお言葉に甘えることにする。ちなみにカタリーナからは日本で茶筅を買ってきて欲しいと頼まれていたので、お礼の意味も込めてその他ジャパン食品を目一杯詰め込んだ段ボールの持ち手付きみかん箱を持って空港の外に出る。時間は夜の10時を回っているが、辛抱強く待っていてくれたカタリーナが笑顔で手を降っているのが見える。4年ぶりに会うとなるとなんか物凄い感慨が押し寄せるのかと思っていましたが、実際はあまりに現実味がなくてお互い困ったように笑ってハグするのみ。でもまあ会えた、また会えたよ。で、これが愛媛のみかん箱ですどうぞ。空港から電車に乗る時に切符を買う際、これまで経路検索のみに使っていたBVGのAPPで切符が買えると今更で知り、試してみたのだけどこれがなかなか手強い。まず前準備として住所の登録が必須なのだが居住国に日本が選べない(欧州のみっぽい)のでライナーさんの住所を入れるも、意味不明な項目も入力しないとエラーになるので全く無意味な数字を入れると通り、やれやれと思って切符を買うと今度はクレジットカードの3D認証をしないと決済されず、それはまあカードの仕様なのでいいのですがイマイズミコーイチと2人分を買うには同じ購入操作を2回やらねばならず(枚数指定して一度に買えない)、どう考えても券売機で買うほうが簡単である。メリットとしては・打刻しなくて良い・有効期限がはっきり表示される、くらいなものでカードが使える券売機もあるし、SIMカードを入れてなくて携帯がオフラインのイマイズミコーイチは紙で買った方が良さそうだ。カタリーナはそもそもあまり公共交通機関を使わず自転車が基本の人で、乗るときはパートナーのウーヴェのAPPで切符を買ってもらうので詳しくないそうでした。

 空港からはSバーンのS45という路線に乗ってズュートクロイツ駅まで行き、そこからバスに乗るとライナーさんの家の目の前まで行ける、とカタリーナが教えてくれる。カタリーナはライナーさんの家まで僕らを送り届けてくれて、出迎えてくれたライナーさん(初対面)にも挨拶している。自分らがウィーンから戻ってからこの近辺でみんなで夕飯を、と言っているので顔合わせでもある。こんにちはライナーさんまたお世話になります、とカール・ユーハイムのバームクーヘン(プレーン・チョコレート・抹茶)お歳暮用詰め合わせ箱を差し出してこれは日本で大人気のバームクーヘンですとか適当なことを言って渡す。まあ抹茶味はドイツにはないだろう。そして小型犬が2匹いるが、彼らは預かっている犬でもうすぐ飼い主のもとに帰るんだそうな。ばうばうばう。ライナーさんは寝るというので今夜一晩だけ泊めてもらって明日からウィーンに行き、月曜に戻ってきますと手短に伝え、部屋に戻って明日に向けて荷造りをする。明日乗るオーストリア航空のウィーン便は預入荷物をオプションで付けると高いので、手荷物のみで行って帰ってこようという算段である。まあ4泊だし何とかなるであろう(伏線)。ほぼ着替えと洗面道具の荷物を詰め終えて就寝する。

2023.1207 Donnerstag

 8時に起床してイマイズミコーイチは道の向かいにあるパン屋(気に入っているらしい)でパンを買い、自分はキッチンでお茶を入れて飲む。今日は空港に行く前に昨夜乗り換えたズュートクロイツ駅でポポと会うことになっている。昨夜のルートを逆方向に行くのでまずバスに乗って駅まで行くのだが、バスで切符を買うには運転手さんから直接購入になるようで短時間でうまくこなせる自信がないため、面倒くさいけどBVG APPで2人分買う。ポポと会ってる時間も含めて2時間以内に空港に着けばセーフなので、なるべくギリギリに購入する。駅のバス停に面したところにセガフレードがあるからそこでコーヒーでも、とポポは事前に写真を送ってきてくれていて、昨夜のうちに場所は確認してあったので迷わなかったが到着して店内を覗き込んだところポポはまだ来てないようだ。イマイズミコーイチは煙草を喫うというので外で待つ。しばらくして続々と到着するバスの中からポポっぽい人影が手を振っているのが見えた。多分あれだろう、と待っていると今回のプログラマーが軽快に道を渡ってこちらにお越しになりました。やあやあ来たよ、とセガフレードでアジア人ミーティング開始である。自分は小腹が減ったのでサンドイッチを買い(もう値段が高いかどうかは考えないことにする。日本の感覚で言ったら高いに決まっているのだし)パンがうまい、とか言いながらまりまり食らいつく。ポポに日本土産を渡し(クックドゥの麻婆豆腐の素も進呈してぜひ作って批評してみてくれ、と伝える)、ポポは上映料を現金でくれたので受け取りを書いてこれで当面ウィーンで使う現金は足りるだろう。ありがとう、ポポとは小一時間近況報告をしたのちじゃあまた来週に、と言って別れてからポポが気を利かせて出発時刻とホーム番号を調べてくれた空港行きの電車に乗り込み、再びあの何とも言えない新空港へ向かう。車窓から見える景色は半分くらい雪に覆われている。



朝からつかれたねえ(ベルリン)

 空港までは1時間もかからないので切符の有効時間内に到着した。ポポからは「空港のセキュリティーチェックを事前予約しておくと便利だよ」と言われたので予約したのだが、係の人に聞いても普通に並んでくれと言われるばかりで、掲示板にはおそらく自分らのことであろう予約枠とカウンター番号らしいものが出ているのだけど結局どこに行ったらいいのか判らず、他の人と一緒に列に並んでいつも通りのチェックを…とここで自分が再検査になる。引っかかったのはソムリエナイフで、機内持ち込みしてはいけない「刃物」に該当するのか微妙なところのようでしたが、検査官は実物を見て「ま、よかろ」と言った感じで戻してくれた。いつもは預入荷物に入れているのでうっかりしていた。ウィーンからの帰りも同じことになるんだろうなあ。シェンゲン域内なので国内線と同じであるためパスポートチェックはなし、あとは乗るだけ…と搭乗口に並んでいたら今度はイマイズミコーイチの荷物が「規定より大きすぎる」ということらしくて搭乗直前に預入荷物に変更されて持っていかれてしまいました。まあタダだしいいんではないでしょうか(荷物棚はどうせ混むんだろうし…)。何かパンデミック後のベルリンというか欧州は以前より面倒くさくなってる、ような気がする。昨夜オンラインチェックインをしたら座席が隣同士になっていたのは良かったけど。

 事前に調べたところ現在ベルリン〜ウィーン往復の直行便はオーストリア航空しかないようで、では電車移動はどうかと思ったのだけど料金があまり変わらない上にかなり時間がかかるので残念ながら選択肢から外した。出発はちょっと遅延したのだけどフライトは1時間ちょっとなので大して遅れもせずにウィーン着。ちなみに機内で出たのはコップ一杯の水とメダルチョコレートのみであとは有料。預け入れになったイマイズミコーイチの荷物もそれほど待たずに出てきたので空港出口へ、前回(2018年)に来たときはポルノ映画祭の迎えが来てくれたので街に出る方法とか調べなくても良かったのでしたが今回は自力。ウィーンもベルリンと同じように公共交通機関の切符は共通なので料金はシンプル。オンラインでのみ買えるウィーン市内7日間券(17.10€)なら5日間の滞在でも平均で一日3回乗れば元が取れる+いちいち切符を買わなくていいのでこれにしたが、問題は空港との行き来で、ウィーン空港は「ウィーン市外」にあるので空港から一番近い市内の駅までの切符を買い足さないといけない。駅の券売機でそのウィーン市内の境界の駅(Kaiserebersdorf)までの切符2€を買い、S7/REX7線で空港からWien Praterstern駅まで行き、地下鉄のU2線に乗り換えてMesse-Prater駅で下車すればホテルに着く。空港からの電車はゆったりしていてテーブルもあるボックス席のなかなか快適な車両でしたが、降りる直前にイマイズミコーイチがペットボトルの水をひっくり返して惨事になり、本人は「ああ…」みたいな感じで立ち尽くしていたので自分がハンカチを出して拭きました。拭いてくれやおっさん。


ÖBB(オーストリア連邦鉄道)車内

 ホテル最寄りの地下鉄駅に着くと既に暗くなりかけていて、路上には雪もけっこう残っている。ベルリンも寒くて雪が降ったよ、と事前に聞いていたので出立直前にワークマンで「レイキャビク氷雪耐滑防水シューズ」というケッタイな名前の靴を買い、試し履きで2日ほどすべての移動をこの靴で徒歩にしてみたら靴ずれは起きなかったのだけど体中が痛くなってしまい、どうやらあまりに歩いてなかったせいで体が鈍っているようだったのですが、ひとまずこの靴は暖かくて滑りにくくて水たまりに入っても平気な6センチ防水なので今回の旅行には正解かもしれない。前回のウィーンはやっぱり雪だったけどあろうことかキャンバス地のスリッポンで来てしまって足は冷えるわ爪先は濡れるわでえらい目に遭いました。ちなみに駅名にもなっている「プラーター」というのは有名な公園で、併設の遊園地にある観覧車が光っている。それほど歩かずに着いたホテルはこんなとこでしたが、何というか…ヒップですね。フロントデスクと言うよりは図書館の受付をおしゃれにしたみたいなカウンターで名前を言って予約を確認してもらうと「ハイハイ2泊ですね〜」とか言われるので「え、4泊ですが。2泊は映画祭持ちで残りは自腹という話になってます」と言うと受付のお兄さんはしばし調べたのち、「ああそうでした確認取れました。では残りの宿泊費の支払いをお願いします」と請求された額がヤヴスが言っていた額より高かったので???と思いつつ、おそらくここで言っても話が通らなそうなのであとでヤヴスに直接言おう。朝食は7階のレストランで7〜11時で提供とのこと。

 割り当てられた部屋は1階(日本で言うところの2階)、基本的な移動はエレベータ使用、グランドフロアにはカフェもあるしレストランも宿泊客じゃなくても入れるので客室エリアに入るにはカードキーを仕切りドアのセンサーに当てないと開かないようになっている。けっこう広いな…と歩いて自分らの部屋に入る。まあ素敵、なお部屋であるが残念ながら冷蔵庫がないのでスーパーでビール買ってきて冷やしたいときはどうしようか。そうだまずはスーパーに行こう、と下調べをしていた最寄りの「BILLA」というチェーン店に行く。スーパーとしては激安ではないが超高級でもなく、という感じらしいのだがサンフランシスコで言うとホールフーズに近いノリかもしれない。それでも久しぶりに入る欧州のスーパーはやはり楽しい。白ワイン買っちゃえ、と特売になっていた5€くらいのを一本カゴに入れ、あとは値引きが始まっていたサンドイッチとか買って今日の夕飯はこれでいいかな、イマイズミコーイチはジャム入ドーナツ4個パックとかゴツいものを買っている。遊園地に近い道を通って部屋に戻りパンを食って、映画祭の今日の上映が8時半からなのでそれに間に合うように出かける。電車を乗り継ぎ、グーグルマップに従って劇場まで歩きながらそれにしても海外での通信事情は本当に便利になったなあと思う。今回の旅行で使ったはeSIMは「ヨーロッパ42カ国 データ無制限」というやつですが、設定も簡単で毎日1GB使える15日プランで3,000円ちょっと、ベルリンでもウィーンでも問題なく通信できている。ベルリンに行くたびにT-mobileの店舗に行って物理SIMを買っていたのと比べれば馬鹿みたいに簡単で、しかも一番つながって欲しい到着直後の空港〜市内までの間も通信ができるのがやはり大きい。


映画祭会場 "Schikaneder"

 何となくそんな気もしていたが着いてみると会場の映画館は前回ポルノ映画祭の会場でもあったところで、自分らの上映はここではなかったのでしたが映画を見た覚えがある。映画館に向かって右隣がバーなのだけど、内部で映画館ともつながっている。映画館側の入り口から入ってスタッフを探す。やがて出てきたのはメールで事務的な諸々をやり取りしていたタニアで、自分らにゲストパスをくれて今日の上映チケットを隣のバー入り口で出してくれた。やがてヤヴスもでてきて挨拶。確か前回ベルリンで会ったような気もするのだけど相変わらずテンパっている。外から見ているとスタッフはヤヴスとタニアしかいないのではないかと思えるが、現場スタッフは他にもいるようだ。会場に置いてあったプログラムを読んで初めて理解したのですがどうも「International Human Rights Film Festival」という映画祭が大枠としてあり、「Queer Shorts Vienna」はその1セクション的なもののようでした(全部で9つのセクションがあった)。劇場に入って今日のプログラム「Queer Identity」を観る。全体的にトランスがテーマの作品が多いなあ、というのと正直なところこれは、という作品には出会えなかったのが残念ではある(途中で寝てしまった)。今日はこのあとドラァグショー含むパーティーが隣のバーであるそうなのだけれど、今日は移動で疲れているので遠慮してホテルに戻ることにする。最寄りのカールスプラッツ駅に向かう帰り道に前回は工事中で入れなかった分離派会館(セセッシオン)が見えたので明日行ってみよう、と決める。部屋に戻るとイマイズミコーイチが「飲み物を窓の外に出して冷やす」と言い出し、自分が貸したショッピングバッグに飲料を入れて窓の外の張り出しのところに置き、柱に縛って落ちないようにしていた。気温0度前後くらいだから凍らないだろうとは思う。その後シャワーを浴びて出てきたイマイズミコーイチは「あのね、ボディーソープがすごくいいにおい」などと言ってニコニコしている。見るとカミツレ(カモミール)配合のシャワージェルで、たしかにいい香りがする。なかなか良いホテルなんじゃないでしょうか、冷蔵庫はないんだけどさ。

目次
2023.1206-07 ベルリンまで/ベルリンからウィーン
2023.1208-09 美術館、『犬漏(SOLID)』上映/美術館2つ、映画祭クロージング
2023.1210-11 各自ウィーン観光/ベルリンへ
2023.1212-13 ノーレンドルフ彷徨/体調不良でヘロヘロくん
2023.1214-15 『すべすべの秘法』+『犬漏(SOLID)』上映/ユルゲン、映画1本
2023.1216-17 一人遠足、映画1本、最後にカラオケ/一人散策
2023.1218-19 イスタンブール乗り換えで帰国

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