2010.0620 日
三日目:「true」打ち上げ
昼過ぎまでダラダラと過ごし、ようやっと起きあがり、ひとりで近所の広東語しか通じない粥麺屋へ行き遅い昼食を。ヘンリーに鍛えられているので、ここはひとつ平日午後のお得なセットメニューを頼んでみる。メニューは皮蛋粥と油條の腸粉、そしてミルクティーのセット。大満腹。お腹が満たされたところで行く先は、旺角のオタクビル、信和中心。香港に来たらここに来なくては。信和中心。そこは、フィギアを中心に漫画本、ヤオイ、ジャニーズ、ヌード写真集などの古本、CD、DVDの中古屋が地下1階から5階までみちみち詰まっているオタクの聖地。ぼくは迷わず地下1階のCD、DVD売り場へ。隅から隅まで品定めをし、ディック・ミネ大全集のCD他、DVDなどを大量に買い込み、帰りは義順で牛乳プリンの黄金コース。大満足。
ジョナさん@受付
夜は映画祭を覗くべく九龍駅に併設されたファッションビル「Elements」の中にあるシネコン「The Grand Cinema」へ。チケット売り場の前に小さなブースを出しているジョナサンが笑える。例によってマシンガンのように話し始めるジョナサン。「きょうはあなたに会いに素晴らしいゲストがやって来るようセッティングしました。もちろんあなたの知ってる人です」などと言うので、誰?と聞くもかたくなに「秘密です」と教えてくれない。馬鹿馬鹿しい。まだ開場まで時間があるのでふらふらと劇場散策に行こうとすると「ここを離れては行けません。もうすぐ彼がやってきます」などと大声で叫ぶジョナサン。わしは子供か。仕方なく吹き抜けになっているスケートリンクなどをぼけらーと見ていると、やがて真横に人の気配を感じた。横を見ればこれぞサプラーイズ。インドネシアの映画祭「Q! Film Festival」のディレクター、ジョンじゃないですか。なにやってんの?こんなとこで!と聞くと「バカンス」だと言って笑う。会うのはベルリン以来かも。こういうことがあるから旅はやめられない。でかした、ジョナサン。ジョンは、もしかしたら映画監督としての自分が世界でもっともお世話になっている人かもしれない。少なくとも彼と出会っていなければ、いまの自分の状況は変わっているに違いないであろう。再会を喜んでいるうちに会場は開場し、まもなく上映時間だ。ジョンも映画を観て行くというのでふたりして場内へ。ここは9つもスクリーンがあるようだ。InDBearの会場はCinema2。250から300席くらいの中型劇場のよう。本日の上映作はシンガポールの3話オムニバス映画「The Birdsong Trilogy」。ちなみにLG映画ではありません。が、出てくる男の子がゲイにしか見えないので、女性とのラブシーンに猛烈な違和感が・・・。全編英語なので、字幕がなかったのがちょっと辛かったけれど、軽めのコメディありシリアスありと、まぁ可もなく不可もなくといったところ(えらそう)。さて、出国前からジョナサンより「映画祭のチケットが全然売れていません」という悲鳴を聞いていたのだけれど、本日のお客様は10名ちょっと。加えて香港の冷房はキツイ。マジ寒い。本当に心配になってきました。迷路のような出口を出てジョンに「これからごはんでもどう?」と誘うと「このあとミーティングが入っちゃってて・・・。でも、あしたなら会えるよ」ということで、明日の15時に待ち合わせをしジョンとは別れた。
これをみた
それから楽日となる「true」会場香港文化中心へ。着けばちょうど公演が終わったところ。プロデューサー、オルリーンに「ゲイの友達です」と日本語を話す男子Nを紹介してもらいロビーで話し込む。主な議題は「オルリーンはレズビアンか否か(余計なお世話)」。オルリーン・・・。この有能な女性プロデューサーとは実は2000年に香港で会っているのだった。ぼくはすっかり忘れていて「わたしは昔、香港L&G映画祭のスタッフをやっていたことがあるのよ」と言われても思い出せなかったのだが、帰国後イワサくんに聞いて鮮烈に思い出しました。そう、あれはぼくの処女作「憚り天使」が香港L&G映画祭で上映された時。イワサくんと慣れない香港でようやっと会場を探し、なんとかたどり着いた映画祭事務所で迎えてくれたのが当時のディレクター、レイモンドとオルリーンだった。レイモンドはかいがいしくぼくらのチケット手配してくれたりして歓迎してくれたのだが、チラッと時計を見たオルリーンは「時間だわ。わたしショッピングに行くんで。じゃ」と言い残しさっさと去っていったのだった。あいつか・・・。お久しぶりでした。そうこうしていると、バラシをしているスタッフを置いて川口隆夫と白井氏と、白井氏が秋にやる香港公演の振付家ユー・リン氏がロビーに出てきた。「これからバラシが終わるまでお酒を飲みに行くのだけど、よろしかったらご一緒しませんか?」とユー・リンが誘ってくれるので「ぜひ」と半ば強制的にNも連れて行くことに。で、連れて行かれたところは「The Peninsula」。最上階のバーに行くも、なんとドレスコードに引っかかって入店拒否されてしまった。ぼくの履いていた下駄が原因。これは、下駄と言って、日本の、トラディショナルな履き物なんです、と一応の抵抗を試みるも、ペニンシュラ全く融通が利かない。入店拒否だなんて、ジュリアナ東京以来です。おとなしく5人で1階のバーで飲む。ユー・リン、最高で最強のおばちゃんだった(男だけど)。「紅白の演出をするのが夢」だそう。なんか、割と簡単に実現しそう、とぼんやり思った。「あと、おやじバレエ団結成」と言うので(コレも実現しそう)、その時はぼくも誘ってねと言うと「ぜひ」と握手を求められる。やがてバラシが終わったスタッフから連絡が入り、ユー・リンとはここペニンシュラでお別れ。歩いて5分ほどの打ち上げ会場にタクシーで乗り付けるぼくら。バブリーです。店には既に、現地のお手伝いをしてくれたスタッフも含め30名ほど。皆様おつかれさまでした。宴は大いに盛り上がり3時頃お開き。飲み足りないぼくと川口隆夫はオルリーンとNを連れて2次会へ。「小豆が食べたい」などと叫ぶ川口隆夫のため(充分酔っぱらっています)甘味屋を探すが日曜日のためどこも開いていない。バーも「もうすぐ閉店です」とことごとく断られ、最終的に24時間営業のファミレスみたいなところに落ち着いた。オルリーンレズビアン問題は棚上げのまままったりと過ごし、5時頃帰宅。さすがに疲れました。
"true"うちあげ
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