2010.1006 WED

 今日はすこし遅めに起きて8時半、一階に降りたら喫煙所でトニーさんに会う。この場所は玄関近くなので色んな人が通るのだがたまたま通りかかった韓国の監督さんを紹介してくれ、「彼はいま大変なんだ、こないだ徴兵拒否したので帰国したら逮捕されることになってる」とこれまたインパクトのある要点のみで紹介された彼の短編「A Silk Letter」はアピチャッポンの短編ほかと一緒のプログラムで、残念な事にもう終わっていた。「お互い映画を見られていないから、プレビューを交換したらいい」とトニーがそれぞれのプレビューDVDを渡してくれた。「帰国したら大変だと聞きました」と言うと「まあ、ぼちぼち」ってな感じで笑ってましたが、ソウルLGBT映画祭にも知り合いがいるみたいで少し話し込んでから、たまたまそこにいた中国の俳優さんと一緒に呑気に記念撮影などをしてみました。映画祭の後はアメリカに行くという彼と別れ僕らは朝飯、ワッフル焼いてもらうのも慣れたもんです。チヨさんが今日もおむすびをくれるので、こちらもまだ後生大事に持っていた柿ピーを差し上げる。来ていたディー監督と「記念写真」を撮ってもらい、ここでは夕方のラウンジタイムではスタッフがゲストのスナップ写真を撮っているのだが、撮ってすぐに紙焼きにしたものが入り口付近に置いてあるボードにべたべた貼り出されている。何故か僕らが初日に撮られたヤツがまん真ん中に貼ってあり(「こんなの撮られた憶えがない」と不思議そうなイマイズミコーイチ、大丈夫か)、マジックペンで名前など書かれておる。さて今日は3時45分から「家族コンプリート」の上映だがそれまではどうしょっかね、と話しているとチヨさんが「いい天気ですし、グランヴィル・アイランド(Granville Island)に行ってみますか」と提案してくれるのでありがたく甘えさせていただく事にした。ここらで朝飯を切り上げてゴー。


常食

 グランヴィル・アイランドは対岸に突き出た陸続きの「島」のようなのだが、こちらから歩いても行けるらしい。「でもアクアバス(水上バス)のパスをテレサにもらっているので、それで行きましょうか」とチヨさんは言う。ゲスト担当のテレサは会う度に何やかやくれて、「もしアクアバスに乗りたかったらパスがあるので言ってくださいね」とか言われていたのだがそれを使う期会があるのか自分らはよく判らずそのままにしていたのが、チヨさんは気を利かせて昨日のうちにもらっておいてくれたのだった。昨日は古着屋ほかに突っ込んでしまったので使うヒマがなかったが、今日はここだけに行くので結構余裕のはずだ。ホテルを出て初めての道を西南に向かって歩いていく。よく晴れているので日なたは温かい。途中「マンガ小説 買います 貸します 売ります」などとでかでかとドアに日本語が書かれた店(ただしつぶれている)などがあるのでのけぞる。やがて海が見えてきた。こっから乗るらしい。

 水上バス、と言うだけあって短い距離を結んでいるモーターボートらしいのだがグランヴィル・アイランドは次の「バス停」なのであっという間に到着する。元々倉庫街だったのを改装したり建て直したりして市場などがあるらしい。最初に入ったのはたくさんの食料品店が入った建物で、野菜や果物がもりもり盛られている。そのほか海産物(圧巻のサーモン)、メイプルシロップ、パン屋にスパイスに…と朝飯抜いてくれば良かったか、と少し後悔するくらいの食い物の山、昨日のスーパーでの事を憶えていたのかチヨさんは「あ、ツナ缶もありますよ」と教えてくれるのだが、美々しくディスプレイされた缶詰は物凄く高くて買うのは止めた。店内には「視察」っぽい人の群れもちらほらするので写真を撮るのにあんまり遠慮しなくてよいかんじ。最初の建物を出ても実にいろんな店があり、エクアドルから来たチヨさんの友達がやっているという衣料品店やら「すごくおいしい」パン屋などに次々入る。とそこで「カナダのビールを飲んでみましょうか」とビール工場に入ってみる。見学もやってるようだけど時間がないので試飲だけ、ということで小さいグラスで3種類選べるというバーに入って初カナダビール、はなかなか良いお味でした。


説明シートを立ててくださる辺りにお人柄が伺えます(チヨさんの)

 ビールでかるく酔っぱらって、イマイズミコーイチは「さっきのバッグ…」と呟き始めた。ここに入る前にフェア・トレードで各国の雑貨を売っている店に寄っていたのだが、そこで見かけたヴェトナム製のビニールシート再利用バッグ(ナマズの絵が付いている)がいたく気に入り、「ちょっと悩む」とその時は買わなかったのだがやはり本格的に検討に入ったらしい。「フェア・トレード」なのでさすがに安くはない(3000円くらい)が、なかなかかわいいので欲しければ買ったらいいよ、とお勧めして自分は同じ店にあったネパール製のどんぶり鉢に引っかかる。かなり理想に近いお丼なんだけど値段(やはり安くはない)はともかく、割れ物なので手荷物にするしかなく、このまま日本に帰るのなら根性で持って帰りますが、この先あと6本ほど飛行機に乗らなくてはならないのでもし買ってしまったら(2個くらい欲しいし)自分はきっと途中で発狂するか又は丼を頭にかぶって(おそらくソウル辺りで)ええじゃないかを踊りだす(同じか)ような気がしてならないので、ああこれで茶漬けでも食ったらさぞかし嬉しいだろうと思いつつ泣く泣く諦める。イマイズミコーイチはようやく件のバッグを購入する事に決めたらしく「カードで」と決済などしている。ちなみに現金はほとんど持っていないぼくら。

 たいへんまんぞくして観光おしまい、かな。ボートがたくさん停まっている海沿いに腰を下ろし、鴎を眺めながら一服する。少しお腹減ったかな、と言うとチヨさんは「じゃあホテルの近くまで戻ってレストランに行きましょうか」と言う。テレサがくれた、やはり映画祭スポンサーらしいレストランの10CAD分のお食事カードがあるのだが、「ホテルのごく近くですよ」と言われていたものの見つけられていなかったのだった。チヨさんは知っていると言う。テレサによれば「とても美味しいですし、値段もそんなに高くないです」とのことだったので行きましょう、とまたアクアバスに乗り、今度はもう少し長めに水上に滞在する。陸に上がって今度は坂を上る感じで歩く。本当に天気がいい。そろそろですよ、と指差されたレストラン「JOEY」はやはり僕らだけでは絶対見過ごすようなところにあり、連れてきてもらってよかった。店に入るといきなり若いおねいちゃんが「ハワユー?」などと超笑顔で迎えてくれるので面食らうが、威嚇されてるわけではないようなのでハイハイ、などと言いながら中に入る。結構広い。屋外席もあるんだけどちょっと寒いかな、と窓に近い屋内席に座って注文をしてみる。飲み物はナシ、でいいやこのツナサンドにしてみよう。イマイズミコーイチはハンバーガーを頼み、チヨさんはあんまりお腹減ってないのか「イカの揚げたのを頼みますからみんなで食べましょう」と言う。


うまい

 相変わらずウェイトレスさんは無茶苦茶愛想がいいのだが、自分がツナサンドを注文すると「ポテトは付けますか」と言っている(ようだ)。断る理由などないので「はい」と答えるとあとでチヨさんが「こちらではダイエットに気を使ってフレンチフライなんてとんでもない、と言う人も結構いるので」と解説してくれた。加えて「こういうところのウェイトレスさんの時給は本当に低いので、チップが主な収入源なんです。だからみんなフレンドリーなんですね」だそうでそれは半分風俗業みたいではないか。まあなんか(この店じゃないけど)働くのにけっこう明からさまな容姿による選別のある店もあるようで、例えば全員ブロンドの白人で揃えてみました、みたいなとこもあるらしい。そしてチップ、この馴染みのないものは「人を見て」額を決めるとなるとですね、自分らには判断不可能です暗算も弱いし、などと逡巡しつつも料理は来る。イマイズミコーイチのハンバーガーはまあ予想範囲内のハンバーガーでしたが自分のツナサンド、はメニューの段階でどうもいわゆるマヨネーズ和えのオイルツナでないのは理解していたものの、パンの2倍くらいある一切れのレアに焼かれた「マグロ」がどかんと皿に乗っており、ソースはすこし甘め。そして山のようなフレンチフライ。チヨさんが頼んだイカのフリッターも大変美味しくいただきました。確かに毎日こんなの食ったら油の摂りすぎになるかとは思いますが、実はカナダに来てからと言うものちゃんと食べる機会はあんまり無いままで来ているのでまあいいだろう、しかしこのツナサンドうまい。

 3人分のお食事カードでは合計額に足りないので+現金で懸案の「チップ」はチヨさんが「まあ、このくらいですかね」と計算してくれたので完全丸投げで支払いを済ませ(僕らだけで来たら食事代だけ払って出てきたところだ)、目の前にあるホテルに戻る。あと1時間半くらいで上映だが、今回は自分らの映画は観ない、というのもトニーが今朝がた「タンワリン(昨日会ったタイの監督)の上映が丁度『家族コンプリート』と同じ時間帯にVancityであり(今年はタイムテーブルの組み方がなっとらんが、とトニーは怒ってましたが実は元々自分らの上映は2日ほど早く設定されていたのをインドネシアとの兼ね合いでずらしてもらっていたので、こちらの都合なんです)、彼女の映画は君らのより若干早く始まり早く終わる。なので上映前の挨拶をスキップすれば彼女の映画を観てからPacific Cinemathequeに戻ってQ&Aに出られるので、是非観たらいい」とかなり強力にお勧めしてくれるのでそうすることにする。となるとイマイズミコーイチはその時点で和服を着ていないといけないわけで、これから着替える必要がある。今日の通訳のチヨさんは先にPacific Cinemathequeに行くと言うのでここでお別れして、部屋で支度をする。自分は一応襟のついたシャツに精一杯ネクタイをして(まあその下はオリンピックシャツなわけですが)準備終わり。


昨日トニーと行った中華レストランを見かけた

 下駄履きの人と共にバンクーバーの真っ昼間を歩く。さすがにこちらをチラチラ見ながら通り過ぎる人、多し。Vancityに到着するとロビーにトニーとタンワリンがいたので+イマイズミコーイチで写真などを撮ってから、割とすぐに呼び込みが始まったので劇場に入る。いつもの監督紹介があってからタンワリン・スッカピシット監督兼脚本兼主演(トニーは僕らに彼女を紹介する時に「ダイレクター、アンドスクリプト、アンド…スタァァァァァァ…」と最後は夢見るような眼をして言ったものですが)の「Insects in the Backyard」世界初公開2回目。TSの人が主人公のフィリピン短編が先に上映されたのだがこれがちょっと話(オチ)が分からずもやもやする。後でトニーに聞こう。そしてタンワリンが「スタァ」の「裏庭の昆虫(タイトル直訳)」は冒頭からおそろしく美しい、緻密な作品でした。綺麗なものだけ映っている、ということではなくてあらゆるものがうつくしい。現実も妄想も、数十分前も数ヶ月後も全てが渾然となってポリフォニックに進行していくので、観ている方は時間軸で筋を追っかけるよりも、ただその瞬間ごとの豊穣さ(この人の画面の散らかし方はすごく好きです)を堪能していく方が何倍も味わい深く、かつ感動的なのでした。映画は終わってしまい(残念ながら)ええもん観た、と余韻に浸りながらも僕らは本来の「お勤め」のためにエンドロールの中をトニーに「先に行ってる」と声をかけて劇場を後にした。タンワリンと話がしたいなあ、と思いながら。


「Insects in the Backyard」予告編、ただしこれはあんまり映画の良さを伝えてない

 Pacific Cinemathequeに着くと、まだ映画の途中でした。入り口に近づいて音を聞くと、あと15分くらいかな。スタッフが「コーヒーでもどう?」と言ってくれるのでイマイズミコーイチは売店で注文し(結局代金はいいよ、とうことになったが)、しばらく待っているとトニーが来た。しかしおつかれさまです。映画が終わったので入り口で控えているとQ&Aに残らずに帰る人も「面白かったよ」とか一言声をかけて行ってくれる。さすがに平日の昼間なので昨日より観客は少ないが(そして非常に年齢層が高いがトニーのレビューの影響か)。今回は上映後だけなので自分も前に出る。でも写真も撮りたいなあ、と思ってカメラを出していると客席にゲスト担当のテレサが来ていて「それも撮りますよ」と言ってくれたのでありがたく渡す。後で聞いたら昨日の上映には映画祭スタッフが誰も記録撮影に行っていなかったのでそれはいかんね監督が来てるのに、と彼女が来たらしかった。お客さんは少ないながら昨日と同じくトニー先導で質問は順調に出て(これまでで初めてのタイプのものもあって、それが良かった)、最後にトニーから自分にも質問が振られて何だか本格的に「プロデューサー」という扱いなので本当は違うんです、と言い訳半分で返事をし、「そろそろ時間になりました」。ロビーでは熱心に質問してくれる人がいて、「久々に面白いものを観た、ベストだ」と言って帰っていかれました。今作はそういう人が上映の度に一人くらい発生する、ようです。決して多くはないですが、1人と0人とでは全然違う。

 外はもう暗くなりかけている。喫煙所でトニーに「タンワリンの映画はすごく良かった」と伝えると、「そうか、よかった。私はあの作品が本当に好きだ。登場人物がみな(特に男性が)魅力的だ。『家族コンプリート』とはアプローチは全く違うが、どちらも家族を描いているので君たちにも観て欲しいと思った。コウイチさんの作品は家族を破壊し、タンワリンのは守ろうとしている。やり方は真逆だけれど、通底するものはあるのではないかと思う」と言ってくれた。願わくば、彼女も僕らの映画を観て欲しいなあ、と言うと「じゃあDVDを渡すように手配しておく」とのことでした。ありがとう、あなたに選んでもらえて僕らは本当に嬉しい。ちなみにトニー・レインズさんは私の両親とほぼ同い年。んでもってさっきのフィリピン短編で質問が、と判らなかったところを聞いてみて、初めて話が理解できました。あの短編もやはり監督が主演で、現在長編として作り直すべく制作が進んでいるとの情報。そしたらまた観たい。


Q&A #2

 まだラウンジが空いているはずだビアープリーズ、とチヨさん共々ホテルに戻る。ラウンジには何故か身体障害者補助犬が寝っ転がっている(すごくかわいいが、関係ない人があまりかまってはいけないと聞いた事があるので眺めるのみ)。和服姿のイマイズミコーイチは目立つのでウェイトレス嬢があらあら、とか言いながら揚げ餃子などを持ってきてくれる。チヨさんが彼女と僕らの写真を撮ってくれるがチェックした彼女は何故か気に入らないらしく「もう一回」と言うので自分が撮る。さっきのはバストショットだったので全身を入れてみて、見せると彼女はひどく満足げに「オーケー」と言って去っていったのでなんじゃらほい何が違う、とよく見てみたら片足をぴょこんと上げていてそれを入れて欲しかったようでした(おちゃめな人らしい)。だらだらしていたら閉店時間になったので外に出るとテレサがいたので少し話をして色々ありがとう、と伝えて一緒に写真を撮って、それからチヨさんともここでお別れ、本当に毎日毎日お世話になりました。また来たいです。そして自分らは数時間後に移動しないといけないですので部屋で仮眠します。

 一通り荷造りして、メールを開けてみる。さすがに最後の一日はホテルのwifiでいいやと昨夜遅くに購入したのでまだ使える。これからの自分らの道行きでありますが、バンクーバー→香港→ジャカルタ→ジョグジャカルタと3回飛行機に乗って友人ニーノ宅にたどり着くのがほぼ一日後のはずです。ジョグジャカルタに住むニーノは今回は映画祭に関わってないらしいのですが(彼は彼で活動が忙しそう)、ジャカルタで「こんなことになってしまいまして全っ然やることねえ」とちょろっと書き送ったら「じゃあカナダから戻ったら僕ら(ニーノとニーノ彼氏)と一緒にカリムンジャワに行こうよ」とか言ってくれたので取りあえずジャカルタのスタッフに頼んでジャカルタ→ジョグジャのチケットは手配してもらったのですが(それをテレサに印刷してもらう。関係ないのに)、最終的にカリムンジャワ(インドネシアで聞いても誰も詳細を知らなかったのですが、離島らしい)行きのボートが満席、とのことでどうやら僕らは到着時にニーノには会えそうなものの翌日からは彼が不在のお宅に何日か逗留させていただくことになりそうです。そしていつまで居ることになるか不明。こんな行き当たりばったりでいいのはもちろん上映がないからですが(泣いてやる)、取りあえずジョグジャカルタまで辿り着けばいいんだろ、と気楽に構えすぎか。ひとまず緊急連絡は無かったので寝る事にする。


部屋が散らかってはいますが

 うとうとしていたところに電話が鳴る。あああああああ、とか言いながら出てみるとすごく元気な声で「グッドイヴニング、ライアンです。いまパンプジャックで呑んでますけど来ませんか」とガンガンするのであああああああ僕らラウンジで呑んだステラ・アルトワのおかげで沈没しかけてましてちょっと無理、本当にごめんなさい行きたいんだけど、とお断りする。いい人だとは思うんだけどタイミングが悪いお、とふとこの間の悪さとかは@香港のディストリビューター:ジョナサンと同質のものではないか、と自分らの星に思い至って背筋が寒くなりました。なりましたが本当に今はちょっと寝ておかないとダメですので、バンクーバーでのゲイ活動は0になりそうな見込み、残念ながら。そして1時間くらいは寝られたんだろうか、また電話が鳴って今度はあまりうがうが言わずに覚醒して出てみるとフロントからで「アケミさんって方が見えています」だそうで日本人ボランティアの方でした。チヨさん以外のどなたともお別れが出来なそうなので残念、と言っていたらチヨさんがアケミさんの携帯に留守電を入れていてくれたらしいでした。はい10分以内に行きます、と返して柿ピー持って(まだあったか)ロビーに降りていく。わざわざ来てくださってすいません。僕らはもうすぐここを発つので、と少しお話をしてから最後のお別れをしてバンクーバーは居心地のいいところでした、また是非お会いしたいです。

 さあ本格的に出発時間(ちなみにフライトは午前2時)が迫ってきた。さっきテレサにタクシーチケットをもらったのでこれで空港に行けばいいのである。その前にチェックアウトか、と部屋の忘れ物を3回ほど点検してから部屋を出る。出来ればもう2泊くらいはここで眠りたかった、でも4泊しか出ないし、とぶつぶつ言いながらフロントで精算する。アメリカの友人にかけた(留守電だったが)国際電話と一日分のインターネットの請求が発生しているが、初日に飲んでしまったミニバーのビールについては不問に付されているので顔がにやけないように気をつけつつ(でも恐らくどうせ口角は上がり気味であろう)、なるべく残った小銭を使いたい、とコインが貯まりまくった財布をひっくり返してアアデモナイ/コウデモナイ/コレハイクラノコインデスカ額面ガ書イテナイ、などと騒いでいるとフロントのかわいらしいお姉さんが「私がやりましょうか」となるべくコインが減るように数えてくれて無事に精算終了、ありがとうございました。空港までは近いし、深夜なので道も混んでないからまだ大丈夫、と勝手に決めて煙草を喫っていると「世界グッドモーニング!!」のゲストチーム2人がふらり、と通りがかったのでああ僕らはこれにて退散します、とご挨拶する。あ、東京ですか?と当然まあ聞かれるがいや、まずはジャカルタです、と答えるとひどく混乱したらしいので一応説明すると「それはそれはお気をつけて」とのことで残りのバンクーバーをどうぞ満喫してください。


ここに入りたかったではありました

 映画祭提携のタクシーはイエロー何ちゃらいう会社で、探さなくてもすでに2〜3台待機している、のでポーターは呼ばずに自力で声をかけてお願いする。運転手はみんなターバン(たぶん)巻いたインド人(たぶん)。チケットを見せて「空港まで」と伝えると、荷物を積み込んだ車はすぐに走り出した。さようならバンクーバー(市街)、そしてここらへんで日付が変わるので翌日分にまわします。


インドネシア・ジャカルタ編

2010.1003 ジャカルタ発香港経由バンクーバー行
2010.1004 長編3本
2010.1005 長編2本+「家族コンプリート」上映一回目
2010.1006 長編1本+「家族コンプリート」上映二回目
2010.1007 バンクーバー発

インドネシア・ジョグジャカルタ編