2008.0102, wed

 用事が無いという事はいつ起きてもいいわけで、ぐだぐだに遅い。日本でも寝不足だからなあ、と言い訳がましいがどこか行かなくちゃいけないところも無くなったし、とのろのろと起きだす。Jが言っていたように今日は夕方からインタビューを受ける事になっているので日が出ているうちに行きたいところに、と九龍半島。スターフェリーで尖沙咀(チムサッチョイ)へ、ネーザンロードを歩く。マップにあったゲイショップ「la male」とかを久々(5年ぶりくらいか)に覗いてみましょうか。前回もあんま大した品揃えは無かったような…今回もあんましだな。ただしフリーペーパー「DS」の最新刊カイリーミノーグ号があったので一部いただく。

 コーヒー飲みたい、とイマイズミコーイチが言うのでそこら中を探すがコーヒーショップが見つけらずにしばしさまよう。やっとテイクアウトができる店を発見し、コーヒー買って九龍公園へ。日なたでもけっこう寒いな。香港は今年の初めからどこもかしこも禁煙だがこの公園も例外では無いようで、灰皿はことごとく撤去されているか塞がれている。あ、そうだイワサくんの持ってるクマのぬいぐるみはこの辺で買っ(てもらっ)たんだよねえあの店はまだあるかな、と探してみたのだが無くなっている。ややしょんぼりして歩き出し、あ~あれが有名な重慶大厦(チョンキンマンション)、香港に行く前に友達がうまいカレー屋があると聞いていたけどとりあえず見てみよっか、現地の人とでないと行ってはいけないと言われたけどさ、と正面に立つ。イマイズミコーイチが昔香港に来たときにはここはおそろしいところなので入ってはいけないと言われていたそうだが、今はドラッグストアも入ってるし(何故か同じチェーン店が2軒ある)、と一階部分だけに入るとそこらじゅうカレーの匂い、そしてインド人。両替屋もたくさんあるが、レートを眺めているとひっきりなしにホテルの(宿泊施設もある)客引きに声を掛けられてしまうので立ち止まりづらい。うまいカレー屋どころかカレー屋だらけだが、ちょっと慣れないと落ち着いてはいられない。ここでフツーにカレーを食える日は来るのかどうか。


重慶大厦

 歩いて佐敦(ジョ-ダン)まで、裕華国貨つう地元デパートに行ってお土産を探す。ここは来る度に面白くなくなっているような気がするのだが、イマイズミコーイチは爆竹を模した縁起物を買い、自分はただ見てるだけ。イマイズミコーイチは更に茶漉し付きのマグカップが欲しい、と探すが気に入った柄が無くて断念、さて次へ。

 さらに歩いて油麻地(ヤゥマティ)、先月香港L&G映画祭で上映をされたときの映画館近くまで来る。また来ちゃったよと天后廟の近くで将棋をしているおじいさんを眺めながら一服。

 まだまだ歩いて旺角(モンコック)へ、朝から何も食べてないのだが、ちょっと食うか?というときによりにもよって「銀だこ」を見つけたのが運の尽きで、香港でタコ焼き食ってしまいました。

 で、女人街まで行ってみたのだが自分はふと今持っているショルダーバッグがあまりにボロボロなのに気づく。もしかしてここでいいのがあるかも、と隈なく探していくと、黄色のストライプでなかなかかわいいのがあって、見せてもらったら結構丈夫そうだし、でも留具が磁石一つか…と迷っていると店のお姉さんはさかんに「これはいいものだよ、この辺にあるのは(とDIESELとかのバッグを指し)全部コピーだけど、これはオリジナル」ってえばって言うような事か。そっか、買おうかなと思って値札を見ると95HK$(¥1,340)くらい、きっと他の店にもあるだろうから一番安いとこで買おう、と全部を見て回ったら、いくつかの屋台では置いていたのだけれど何でか280HK$(¥4,065)とかで高い。じゃあ最初の店か、と戻って初めて値段を聞いたらば240HK$(¥3,490)だと言う。じゃあ値札の95ってのは何だ、と思ったがイマイズミコーイチに交渉を代行してもらっても185HK$(¥2,690)以下にはならないのでもう時間切れ、やめとこ。


ええ、まあ…

 油麻地に戻って劇場近くのセブンイレブンで待ち合わせ。J紹介の香港人Gが待っているはずだ。「決して悪い人ではないのですが何と言いますか要領がわるくてとろいので苦労すると思いますよあははははは、もし時間を超過しそうだったら遠慮なく打ち切っていいですからねはははははは」とJは言うのだがそんなら君が同席してくれ。Gとは数日前の上映時にロビーで会っていたのだが、結局インタビューは年明けになってしまった。やがてやってきたGは「この近くにゲイ喫茶店があります、行きませんか」と言うのだが僕はそこ、先月J&H&ヒロで行ったなあ。イマイズミコーイチは初めてなので行く事にして、自分だけまた来ました、とか内心思いつつ扉を開けた。

 ええと、やっぱ時間を超過しました。なんか始まるまでに異様に手間取ってんの。Gはレジュメまで用意して「こうこうこういうふうにこれこれこういった質問をしますから、こういうタイミングで答えてください」と言うのだが、質問内容によってはまとめて答えたほうがいいと思うんだけどどう?とか彼の計画に無い事を言ったりするとてきめんに話が先へ進まなくなるのでした。じゃあいいです、オーダーどおりにお答えしましょう、と言うと今度は「いやいやあなたがたの答えやすいように」とか言うし。質問内容は、映画制作の体制はどうなっているのかとか、作るようになったいきさつとか今後の計画(ナイ)など、特段珍しいものではなく、そういえばこれは何に使うの?と聞いたら「自分のやっているネットラジオで放送します」だそうでこのフェナフェナ声がそのまま流れてしまうのだろうか。

 インタビュー終わってGがJに終了報告の電話をし、「ではお礼に夕食をご馳走します」と近くのシーフードレストランに連れて行ってくれた。かなりどかどか頼んでくれたので満腹以上のものでした。


いろいろすごい(ここで食ったわけではない)

 Gと別れJの事務所に戻る。「お疲れ様でした」と含み笑いをしながら迎えてくれたJは実はすごく意地の悪い人なのではないか、とふと思いました。思いましたがこの人は僕らのディストリビューターでありますので、仰せの通りにいたしますともよ。「先月の掲載誌が揃ったのであげます」と言うので前回ヒロくんと受けた取材の雑誌・新聞などをごそっともらう。そんでもって今回の上映用に作ったチラシももう用済みなので一掴みずつもらい、すっかり手荷物が重くなってしまった。

 ふと気がつくとメールチェックをさせてもらってたパソコンの前には小さなメモが置いてあり、「澤尻英龍華」と書いてあるので何コレ、とHに聞いたら彼は「そうそう、君はこの女優を知ってる?日本人だけど」と言うのでもっかいよく見ると「澤」は「沢」で…ああそうか。「タッキー&翼」も香港では「瀧&翼」になってたし、中国語だとこう書くの、と感心していると本業新聞記者のHはその下に「澤尻繪里香」と書き、「最初はこう表記していたのだけれど、『本人側の希望で』今の漢字を使うことになった」と言うので、いくらなんでも「英龍華」を「エリカ」と読ませるのは日本語としても無理があるよなあ、と僕とハバカリシネマン氏は爆笑し、さてこのトンチキさ加減をどうHに伝えたらいいものか、と思って取りあえず更にその下に「沢尻エリカ」と書き足して、「これは"Erica"を日本語の片仮名で書いた洋風の名前」と教えたらHはそこで初めて諒解したらしく「ああ"Erica"か、じゃあ女の子の名前だね、でも『英龍華』と書いてしまうと中国ではどうしたって男だと思われるよ」と言って大笑いしてました。ちなみに「澤尻英龍華」さんは「香港の人にあまり良く思われていない」とのことでした。それにしてもわざわざこんな血中ヤンキー濃度の高い名前で中国展開するとはねえ。


2007.1227 再び香港へ
2007.1228 いきなりオフ
2007.1229 上映一日目
2007.1230 上映二日目、被取材1件
2007.1231 上映三日目、越年
2008.0101 新正月、大佛
2008.0102 被取材1件
2008.0103 銅鑼灣をうろうろ
2008.0104 帰日