2010.0407 星期三
今日も曇っている、と思っていたら雨まで混じっているのでした。最後まで曇天ツアーだった初上映立ち会いドサ廻りは今日で最終日、到着が2日遅れたほたるさんだけ、これではあまりに短期滞在なので1日長く残りますが僕ら4人は帰らないと。ただ飛行機が午後発なので一緒にご飯しましょう、と待ち合わせて…とこの「待ち合わせ場所」が一筋縄ではいかない。なぜなら現地アテンドがジョナサンだからです。昨夜も「ほたるさんのホテル近くにあるレストランにしましょう、大通りに面した角のセブンイレブンのあたりで集合で」という話になっていた、はず。というかそこまで話を持って行くのにどれだけ話し合ったことか。田口さんは日本の留守宅におられる同居人様より事細かな「お土産ノルマ」を課せられており(メール+スカイプで指示が来ていたもよう)「行きたいんだけど…買ってかないと家に入れてもらえない…」と何処とも知れないスーパー(買う店まで指定があるらしい)へ雨の中を蕭然と消えて行き、宿泊先バラバラの僕ら4人集合、までは問題なくいったものの案の定ジョナサン+ヘンリーの姿が無い。まあ遅刻するのがデフォだからね、と別に心配はしないけれど今日はケツが決まっているのであまり時間も無駄にしたくないかんじ。仕方が無いので自分は一人、かなり離れた場所の公衆電話(日本と同じく激減している)からジョナサンに電話すると「ヘンリーが今そっちに向かっています、私はレストランに居ますがヘンリーはあなた方とレストランの間あたりなのでレストランの方向に向かって歩いてくださいそうすれば時期に会えるはずです」だからその説明じゃ行くべき「レストランの方角」がわかんねえんだようおっさんよう、と流石に苛立ちを滲ませて電話を切り、取りあえずセブンイレブンの方へ戻ると残っていた3人+ヘンリーの姿が見えた。やれやれだ。
バブルの塔のエレベータから。何度見ても意味不明な外装
予定時刻を3〜40分ほど遅れて着席。何でか背後に名前入りのパネルが掲げてある席になりましたが何これ、と聞くと「ああここで結婚披露宴したカップルがいたみたいですねそのまま残ってます」ということなのでほたるさんとイマイズミコーイチで披露宴写真のようなものを撮ってみる。基本ヘンリーにお任せだが「ここは蒸し物セットが名物なんですねえ」だそうなのでじゃあそれをくう。しばらくすると蒸籠に入った点心がテーブルに並んで、あとお粥など。あまり時間がないのでささっとご飯は終わり、入り口にある大規模な水槽を眺めてからさて、ホテルに戻らないと。ほたるさんは今日はどうするんですかやっぱ大仏?と聞くと「う〜ん雨だから…止めておこうかな」だそうでそうっすね、山なんで天気が悪いと絶景過ぎるかもしれません、と答えてではお先に失礼しますがあと一日も、どうぞお気を付けて。
ジン太くんは既に自分のホテルを引き払っているので3人一緒にWホテルへ戻って田口さんと合流。わあ、だあ、とか言いながらパッキングをするイマイズミコーイチ。毎度の事ながら紙類で無茶苦茶重くなったスーツケースを引きずってフロントデスクに向かいチェックアウトをして(エキストラベッドだけ自腹)から映画祭の車が来るまで一階のロビーで少し休憩する。ここで自分は16週くらい遅れの鮮度が落ちた「JALとANAが合併したらANAL」などと言う下らない語呂合わせが意思の力とは関係なくふと口から漏れてしまいイマイズミコーイチに大受けする。あっという間だったねえ今回は大した事件は無かったけど(無い方がいいに決まっている)。これから仕事だと言うヘンリーとはここでお別れ、またね。
さて最後まで残ってるのはやっぱりメガネ(ヘンリーもかけてるけど)、空港まで見送って行きます、と一緒に乗り込む。車中で今回のQ&Aの話が蒸し返される。きっかけはイマイズミコーイチが「上映はどうっだたかね」といったニュアンスで軽く聞いただけの事だったのだがジョナサンはそれについて直截的にはほとんど触れずに「2回のQ&Aでイマイズミさんは何度も『観た人がそれぞれ感じた通りでいいんです』と言っていましたが、あれだと観客はちょっと困惑すると思います。観客は聞きたい事があって質問しているのですから、やはり監督の意図や発想を具体的に聞きたいと思うのが自然でしょう。意図的でないのはもちろん判っていますが、結果的に観客を馬鹿扱いにしてしまっているような雰囲気が少し出てしまいました。それが残念です。」という返事が戻ってきて難しい顔になるイマイズミコーイチ、訳すのにやや疲れた自分。空港に着くまで、それこそ荷物をトランクから降ろす瞬間にもジョナサンは喋り続け、話は空港内の喫茶店まで続く。ミルクティーをすすりながら「今回『XXの意味は』という質問がたくさん出ましたね。『限定された意味を押し付けたくない』という監督の気持ちは判ります。私もあまりに『意味は』『意味は』という発想はいかにも欧米的であるとも思います。でもあんまり何度も『深い意味はないんです』と繰り返してしまうと、質問をした人は混乱します。現にこの間のインタビュアーの中にもそうした感想を伝えてきた人も居ました。難しい問題ですが…」とはなから結論は出なそうではありましたが「初戀」の時はこんな悩みはなかったな、そういや。
行きに撮った写真ですが帰りもこんなであったであろう
その後もギリギリまで「パーソナル・ヒストリーをあまり長く語るのは」「個人のプライヴェートなことを類推させる説明は程々にした方が(お前が言うな)」などなどとメガネの本領発揮で果てしないダメ出し(であろう、やっぱ)は続いたのだがさてそろそろ搭乗時間だ、ここまでありがとう、とジョナサンにお別れをして、自分はリュックの脇にトイザラス製縫いぐるみ仕様のお花が付いているまま(イマイズミコーイチの「現地ファン」からのプレゼントなのだが何でか自分のに付けられてそのまんま)チェックインをして、空港の両替所で残った皆さんの香港ドルをまとめて日本円に替え(途中で小銭もオッケーだと判ったので「あ、これも」と追加したら受付のおねいさんにあからさまに舌打ちされたがもうこんな事ではめげない)、便の違うジン太くんとじゃあまた東京でね、と別れて飛行機に乗り込んだ。相変わらずガンガン酒を飲ませようとする(としか思えない)ANAのサービス満点の飛行機に乗って帰国。ターミナル間の移動はしない方がよろし、と往路で学んだのでジン太くんとは携帯で無事到着、を確認してからそれぞれが寒い成田からそれぞれの東京に散って行き、今回の旅行おしまい。
2010.0403 香港へ
2010.0404 上映一回目
2010.0405 インタビューなど
2010.0406 遠足+上映二回目
2010.0407 成田へ