2026.0130 星期五

 今日は上映会初日ではあるのだが平日なので夜に一回あるだけで、特に早く起きる必要はないのだった。昨夜ホテルに戻る途中で朝ごはんを食べた「珠記大橋頭油飯」の前を通りかかり、もちろん閉まっていたがここはよかったよ、とイマイズミコーイチに教えたところ関心を示したので今日は一緒に行ってみる。自分は魯肉飯便當にしてみよう。イマイズミコーイチは鯊魚便當(サメ炒め)と書いてあるものを選ぶ。席についてからやっぱり目玉焼きも欲しい、と追加で買ってきて朝ごはん。醤油がかかった半熟の卵を飯の上で割って食べると非常に喜ばしい味で、向かいの人は鮫肉もおいしい、と言っている。そして2人とも付け合わせに選んだ茄子の炒め物がなんでこんなに旨いのか、というくらいの味でした。食べ終わって部屋に戻り、イマイズミコーイチはまた寝てしまったので自分はすぐ近くの、淡水河にかかる台北橋まで散歩してみる。今日はちょっと暑いくらいかな。橋の途中まで行ってまあこの辺でいいか、と戻ってくる。帰り道にどう見ても今川焼きの写真を出した店があって「紅豆餅」と書いてあり、一個18元なので買ってみる。いろんな味があるみたいなのだけどまずは普通に紅豆(小豆餡)にしてみよう。日本で食べ慣れている今川焼きよりは皮が薄くてバリっとしていて餡子が多い。これまで食べたぜんざいとかもそうだけど、台湾で食べる小豆は日本のより豆らしい味がする。


台北橋の上から

 MOさんとは5時に上映会場で会う事になっているのでまだまだ時間はあるのだけど、ちょっと早めに出て去年自分が見つけたパイナップルケーキ屋に寄ってみる事にする。地図で検索するとホテルから徒歩15分と出るので歩き始めるが、これが何故だか歩いても歩いても妙に遠い感じで、次回からはバスの方がいいかなあ、と思う。ともあれ着きはしたのでここです、とイマイズミコーイチに紹介したのは「福田一方鳳梨酥」という小さな店。一つからでも売ってくれて、その場で食べるならオーブンから温かいものを出してきてくれる。去年来た時は夏だったので、あったかいパイナップルケーキは旨いけど冬だったらもっと嬉しかったよな、と思っていたのでした。イマイズミコーイチは有料試食のパイナップルケーキがいたく気に入ったようで「他の味(4種類ある)全部食べたい、また来る」と言っておりました。この通り沿いにカルフールがあったので、自分が探しているものがあるかと思って入ってみたのだが店舗が小さいせいか置いてなかったので、またの機会に大きい店舗に行ってみよう。イマイズミコーイチは、店頭に積まれた既製品の箱入りパイナップルケーキの中からMOさんが前にくれた佳德(Chia Te)のを見つけて買い込んでいる。これもまたおいしいのだけど、他のに比べて値段が倍以上する高級品である。とここでLINEに鏡週刊のAOさんから「記事を公開しました」というメッセージが届いた。ギリギリだけど上映会前に間に合った。

 用事は済んだのでここから今日の会場まで行くのだが、MRTの最寄り駅がここから遠くてかつ着いた駅から会場もけっこう遠く、バスの方が良さそうなのでバス停を探すとそこの電光掲示板に表示されている到着予定時刻が30分後くらいで、これを信じたものかどうかと思いつつ検索し直して出てきた別のバスに乗ろうと別のバス停に行ってみたところ、このルートだと途中でバスを乗り換えないといけない事が判ったのでさっきのバス停に戻り…自分でも何やってんだろうと思いますが土地勘がないので仕方がない。幸いな事に戻ってしばらくしたらバスが来たので、これに乗れば一本で会場近くまで行けるはず。MOさんには「ちょっと遅れます」の連絡をすると「時間はあるから大丈夫」と言ってくれる。しばらくしてMOさん及びデヴィッドから矢継ぎ早に会場設営終わったよ、という写真が送られてきた。予想外な事に自分が作ったオンラインチラシをポスターサイズで出力して貼ってくれている。5時過ぎに目的のバス停に着いて歩いて会場へ。自分は去年も来たところなので付近の感じは知っている。今日の会場「女書店 Fembooks」は中国語圏で初めてのフェミニスト書店で、クィア関連の書籍も多数扱っている。会場を探している時にMOさん達が店主と個人的に知り合いだと言う事で紹介してもらい、会場代はちょっと高いんだけどこういうイベントは慣れているので全部任せられるし、お店の固定客もいるから集客しやすいだろう、ということで金曜夜の一回だけをここでする事にしたのだった。

 ポスターが貼ってある一階の入口から階段を登って店に入り、スタッフは何か気づいたようで自分に向かって「監督さん?」と言うのだが惜しい、監督さんこっちです。MOさんいないな、と思っているとやがてやってきて「デヴィッドと近所の喫茶店に入っているので行こう」と連れ立って出かける。入った店で自分は日本から持ってきた過去の上映チラシセットを50部ほど取り出してMOさんに渡す。これは来場者プレゼントである。おいしいお茶を飲んでしばらく打ち合わせをしてから会場に戻るとミスター・ブルーがやって来て、今日は彼が受付(とオレンのお守り)だそうでした。よろしくお願いします。自分らが戻った時は書店として通常営業していてデヴィッドの小説『膜』の翻訳版各種が特設コーナーに並べてあったりしたが、開始時刻近くになってスタッフが設営を始める。デヴィッドが「上映が終わってからだとレストランは閉まってしまうので、夕飯を食べるならそれより早めに」とアドバイスしてくれるので上映中に食べに行く事にする。段々とお客さんが来始める。今日の上映作品は『伯林漂流』です。開映前に挨拶して冒頭だけ上映チェックをしたら出かけよう、MOさんが飯屋に連れて行ってくれる。


「女書店 Fembooks」店内

 連れて行ってくれたのは近くにある「鳳城焼臘粤菜」という広東料理店で、自分は米飯の上に豚肉を焼いたやつと野菜炒めにソースがかかった一皿飯にする。飲み物は冷ケースから自分で取ってくる方式なので台湾啤酒にしよう、MOさんは「腹減った〜」と言いながら食い始める。高雄でジャクソン先生と会った話をして、MOさんは「もうずいぶん彼には会ってないなあ」と言うので国内に住んでいてもそんなものかも知れない。飯は大変旨く、広東料理と言っても香港の飯しか知らない自分には新鮮でした。この謎ソースの正体が知りたい。MOさんは前から「会場の近くには湯圓で有名な店があるので連れて行く」と言っていて、約束通り飯の後にその「臺一牛奶大王」に行ったのですがMOさんは満腹でもう食べられないとの事で自分とイマイズミコーイチだけが名物の湯圓をいただく。お汁粉に胡麻餡入りの団子が入った温かいデザートで、屋外席で食べると気温も何もかもがちょうどいい感じで、台北の冬も(とにかく暑くないのが)いいなあと思いました。

 そろそろ時間なので会場に戻ろう。MOさんがオレンを外に出してきたので遊んでもらう。「オレンは自分を人間だと思っているので他の犬の事はあまり好きではない、君らのことは好きみたいだ」とMOさんが言うので何だか2023年にホームステイさせてもらった家のバーボンくんのことを思い出しましたが、オレンはこちらが近寄ると大抵ズボッ、鼻を突っ込んでくる。女書店の上の階は民家らしく、そこで飼われている犬がこちらに向かってものすごく吠えているのでその場の空気がちょっと緊迫する。その家の人がなんとか宥めて自分らは店内に入り、しばらくして『伯林漂流』が終わった。アフタートークというかキューアンドエー開始である。デヴィッドが司会をしてくれて日本語〜英語〜中国語で話すのだががこれがなかなかまどろっこしく、どうしたもんか…と思っていたら奥の席でスッと立ち上がった人がいて、こないだのインタビューで通訳をしてくれたクニコさんがおそらく見かねたのだろう、通訳を買って出てくれた。クニコさんのおかげでその後のQ&Aは超スムーズに進み、制限時間ギリギリまで話は続いたのでした。終わってクニコさんに何とお礼をしたものやら、と物販で販売していたDVDとかを差し上げてお別れする。

 片付けの終わった店内で女書店スタッフのみなさんにもお礼を言って、そしてもちろんMOさん&デヴィッド&ミスター・ブルー&オレンにもありがとうを言って帰宅…と思ったらデヴィッドが「君らにはウーバーを呼んだからそれに乗ってお帰り」と言ってくれる。あの…代金は…どうしましょう…と思いつつ言い出せないと言うか、MOさんとデヴィッドにはこの時点までもずいぶん飯とか奢られてしまっているのでどうしたもんか、日本に来た時にとらやの羊羹でも渡せばいいんだろうか…。ホテルに戻るよりも早くデヴィッドからLINEで今日の上映会写真がどかどか送られてきて、ありがたいとは思いつつどれも同じような写真が30枚以上来たので、あの…もう少し…選んで…いただけましたら…

【収支報告】 物販も結構売れたのだけど、惜しい感じで会場レンタル代に対して赤字。


キューアンドエー

2026.0131 星期六

 今日もバスで出かける。12時に会場集合という事で約束していて、MOさんは「最寄駅はMRT文湖線の『内湖』」とメッセージしてきてくれてたのだけどGoogleマップで経路検索をするとやはりバスを使ったルートが出て、確かにMRTだと2回乗り換えないといけないし、所要時間もあまり変わらないのでバス一本にする。ホテルからバス停までが少し距離がある以外は座れたし渋滞にもはまらず、降りたバス停からはすぐなので問題ないだろう。30分ほどバスに揺られて着いてみるとちょっと郊外の住宅地&繁華街という感じ、ここでMOさんからメッセージが入って「渋滞で少し遅れる。どこか入って昼食でもしていてくれるかな?」ということで昼食どころか朝食も食べていないので近くの店を探す、と「你好食堂」というのがあって店の前に出ている立看メニューを見て自分らでも注文できそうだったので自分は魯肉飯、イマイズミコーイチは雞肉飯を頼む。店内にはお代わり自由のあったかいお茶があるのだけど残念ながらうすら甘い。

 食べ終わってさてどうしようか、と思っていたらMOさんからメッセージが来て「いま着いたけど、どこにいる?」「你好食堂」という間抜けなやりとりがあったのち結局会場近くのTSUTAYAで会うことになったので你好食堂を出る。MOさんが更に「蔦屋書店は台北の人が待ち合わせしたりする素晴らしい場所です」などとステマのような事を書いてくるので何だこれは、と思いつつも一階フロアのTSUTAYAの辺りで大荷物を抱えたMOさん&ミスター・ブルーに出くわす。やあやあお疲れ様です、と話していてMOさん「(Facebook)メッセンジャーはデヴィッドと共有しているのでそれに書いてくれれば2人とも読む。あと変更した端末にまだLINEを入れてないので読めない」何だか妙にややこしい話だがカップルアカウントでもないのに2人で1人のアカウントを使ってるのか、台湾はFacebookの利用(稼働)率が日本より高いような気がするのですが、それにしても何故分けないんだろう…。

 会場はこの建物の隣なのだが自分らを従えたMOさんはエレベータで上に上がって…「すまない、建物はつながってないみたいなので戻ろう」とまた下りてから建物の外に出て、外から隣のビルに入り直す。前から聞いていたのだがこのビルはセキュリティが厳しく、ビルに入る時とエレベーターを動かす時、更に8階の会場に入る時にもセンサーキーを当てないといけないのでふらっと来ても自力では入れない、よって誘導係(ミスター・ブルーである)が階下で観客を待っていていちいち案内しないといけない。「それを除けばとってもいいところなんだけど」とMOさんは何度も言う。ここは彼の兄弟がヨガ講師をしていたところで、ホームページを見る限りではシンギングボウルでヒーリングとかいったスピリチュアル系の教室をやっている会場のようで、そんなところでゲイポルノ上映をぶちかましてもいいんだろうか?とは思うがMOさんは「問題ない、スタッフが見ているわけでもないし」だそうですが当然上映&音響設備はないのでMOさんの自前である。やがてデヴィッドもやってきた。またお世話になります。窓に暗幕というかMOさんが持ってきた黒ビニール袋をテープで貼って設営完了である。


設営完了

本日のプログラムは以下の通り(各回入れ替え)。
14:00〜:『Queer Boys and Girls on the SHINKANSEN』+『SOLID』
16:30〜:『NAUGHTY BOYS』
19:00〜:『伯林漂流』

 前述の通りヨガスタジオ的なものを思い浮かべていただけると判りやすいかもしれないが、フローリングの床に座布団や座椅子を並べて、ゆったり座って10人くらいかなあという感じ、そして来た人も各回あたり10人以下だったのでちょうどいいと言えばちょうどいい。持ち込みも自由なのでおやつ食べながらついさっき観終わった映画について話したり、窓の外に出るとちょっとした庭があるのだがそこでタバコを喫いつつ話したり、とにかくやたらハードルが高い入場を何とかクリアすれば大変リラックスして過ごせるスペースでした。お客さんは少なかったけど、これまでで一番話ができた回だったようにも思う。質問としてはセックスシーンの撮影について俳優とどのように打ち合わせをして実際どう演出するか、といったことが多かった。最後の『伯林漂流』の時は昨日と同じく日/英/中通訳の連携がうまくいかず、またしてもお客さんの中から日本語ができる人が立候補してくれて難を逃れたのでした。あとこの回のお客さんには昨年惜しくも閉店してしまった台湾初のLGBTQIA+向け書店「晶晶書店」のオーナーさんが来てくれました。MOさんによると「彼は上映会の宣伝をしてくれた」とのことでお礼を伝える。

 この日も上映の合間にデヴィッドと話をしていて、この人は何度となく「上映会に来るお客さんは『Queerpanorama [眾生相]』を観ている人が多いから、その話をするといいかも」と言っていて、結局そういう展開にはならなかったのだけど、デヴィッドと自分はこの映画についてずいぶん話した。主人公の相手が何故外国人ばかりなのか、という事については裏話的な理由を教えてくれたけど、それが本当かどうかはともかく映画の中で表現されたことには関係ないし、それを知ったところで映画の見え方が変わるわけでもないなあ、というエピソードでした(なのでここでは書きません。)さて全部が終わって夜の10時くらい、途中MOさんが買ってきてくれた弁当を食べたので1日二食はできた、でもまあ疲れたね面白かったけど、と暗幕を剥がしたりゴミをまとめたりして会場を撤収し、駐車場でオレンに再会する。今日はMOさんの車でホテルまで送ってもらうのだが、後部座席に自分らとデヴィッドとオレンで背後には上映機材、助手席にミスター・ブルーという状態でぎゅうぎゅう詰めである。オレンは途中まで自分の足元で座っていたが、後半は完全に隙間に沈み込んでしまって気配しか感じられなくなった。ホテルに着いてありがとうございました、また明日。

【収支報告】 物販は全くできなかった(ボランティア通訳をしてくれた人にお礼としてポスターを進呈した)ものの、昨日今日とトータルで計算しても黒字になりました。 よかった。


デヴィッドによるとこのお菓子を機材の脇に2つ置いておくとトラブルが起きない、というジンクスがあるそうだ。

2026.0201 星期天

 朝起きてみたら背中全体に「激痛」と言ってもいいような痛みが出ていた。これは恐らくあれだ、一昨日昨日と上映用の諸々でかなり重くなったバックパックを背負って歩き回ったせいで、体をひねると背中全面に大層な痛みが走る。もう今日は可能な限り荷物を軽くして行こうと心に決める。イマイズミコーイチはまだ起きられないと言うので一人で「珠記大橋頭油飯」に行く。店名にもなっている「油飯(炊き込みおこわ)」をまだ食べていなかったので今日はそれに焢肉をのっけたものにする。これまたどうしようもなくうまい、しかし今回の滞在では人生最大級ペースで豚の脂身を食べているような気もする。ホテルの部屋に戻り、今日もまたバスで会場に向かうことにする(MRTだと着いた駅から歩くにはちょっと遠いようなのである。)今日の会場「青春雞」は強いて言うと台北101エリアにあって、MOさんからは「ついでに台北101で遊んでくれば?」とか言われていたのだが特に行きたい感じもしないし雨も降ったり止んだりしているし、と「上映に集中します(しんけんなかお)」みたいな感じで臨みます。

 バス停に降りた時点ではまだMOさん達は来ていなくて、でも辿り着いた会場は空いているようなのでごめんください、と入ってみるとスタッフらしい若い男性2人が「あ〜今日の」みたいな感じで迎えてくれた。あなた方と実際にやり取りしていた人(MOさん)は後から来ます、と伝えて店内で待たせてもらうが、とにかくものすごい質量の「モノ」に溢れた空間で、かつそれらが売り物なのか飾りなのか判然としない(日本のゲイ雑誌とかまである)のであるが、まあ居心地はそんなに悪くない…かもしれない。もしかしたら店主なのかという感じのスタッフくんがお茶を淹れてくれたのでしばしくつろぐ。やがてMOさんにデヴィッド、そしてミスター・ブルーが来て最終日、よろしくお願いします。です。そしてオレンは今日も「車の中にいる」とのこと。上映は地下室でやるので店の人と一緒に降りて設営をする。下もかなり大量なモノが置いてあるので時にどかしつつ移動しつつ店のプロジェクターをベストな位置に動かし…で何とか形になった。あとはMOさんが持ってきたマットやらクッションやらを敷き詰め、もう少ししたら開場です。


「青春雞」エントランスにGagaOOLalaのチラシを貼らせてもらった

本日のプログラムは以下の通り(各回入れ替え)。
15:00〜:『憚り天使』+『TOUCH OF THE OTHER』
18:00〜:『初戀』

 この店は一階部分には椅子とテーブルがあって、壁沿いにドリンク&フードカウンターがある。そこから階段を降りると地下室だが、階段と地下室の間には仕切りも何もないので真っ暗にはならない。それでも階段部分がけっこう長いので階上の音や光もそれほど気にはならない。一階にある一番大きいテーブルを受付コーナーにして物販品も若干並べておいたら、割と早い段階でほぼ売れてしまった。熱心なファン、と言う感じの人も何人か来ていて買ってくれた『伯林漂流』写真プリントなどのグッズにサインください、と言われたり手紙付きのプレゼントをもらっているイマイズミコーイチ。自分はビールが飲みたいなあとMOさんに「ここはビール売ってるかな?」と何と話に聞いてみたところMOさん「あるけどここのバーで頼むと高いから向かいのセブンイレブンで買って外で飲めば安上がり」と笑いながら言うのでそうする。戻った頃にアンドリューが来てくれた。彼はもうずいぶん前に香港の友人と一緒に日本に来た事があってその時にちょっとだけ会ったのだけど台湾で会うのは初めてで、今回自分が声をかけた台湾の知り合い(といっても大しているわけではない)の中で唯一来てくれた。ありがとう、後で聞いたら一緒に来ていたのはご夫君だそうでした。

 上映が始まった。イマイズミコーイチはお客さんと一緒に観ると言い、受付をやってくれているミスター・ブルーはノンケだと言うのに全作品観たい、と行ってしまったので自分が留守を守る。MOさんがおやつを買ってきてくれる。上映自体は特にトラブルもなく、ただ1回目は上映後に聞いたら若干冷房がきつかったようですみませんでした。2回目の上映中には自分も少し外を散歩してみたのですが偶然オレンを散歩させているMOさんと出会い、一緒に歩いたりした。ミスター・ブルーが前に言っていたがオレンは一日中家で留守番するのは好きではなくて、車で出かける方が嬉しいらしい。会場に戻る。今日はプログラム2つだけで、時間もたくさんあるので上映後の話も結構長くできる。お客さんの中にはデヴィッドが教えている学生さんもいたので何だか課外授業みたいでもある。あと昨日来てくれた女性で今日も来てくれた人がいてやはり大学の先生で香港出身だそうなのだけど、『初戀』の上映の後に彼女も交えて同性婚が可能になった後の台湾のクィア映画及びアクティヴィズムなどについても話を聞く事ができた。曰く、同性婚以外のイシューについての運動に勢いがなくなってしまっている傾向は確かにあるとのこと。トークが始まる前にMOさんが「ここの名物チキンは評価が高いようなので頼んでみた」と持ってきてくれたのはパクチー味のドリトスを袋ごと豪快に開いてフライドチキンとソースを乗せたもので塩・肉・油のトリプルコンボであるが確かにうまい。ビールが欲しい。

 全ての上映とアフタートークも終わり、撤収といってもそれほどの作業はないので店の営業時間中に片付けも終わって、夜のバー営業なのかお客さんが来始めたのと入れ替わるくらいのタイミングで会場スタッフ氏にお礼を言ってから、帰り支度をして外に出る。この3日間というもの、不可解なほど熱心に手伝ってくれたMOさん、デヴィッド、ミスター・ブルーにはお礼のしようもない。やがてMOさんが運転してきた車に乗っていたオレンを外に出そうとするのだが、車の中で地蔵のように動かない様子を見てミスター・ブルーは "So lazy." と言って大笑している。何とか路面に降ろしてしばし遊んでもらう。デヴィッドがまたしても自分らのためにウーバーを呼んでくれてしまったのでマジすんません、と言いつつありがたく乗ってホテルに戻る。雨は降ってないけど濡れた道を眺めながら終わっちゃったねえ、とぼんやり呟く。


オレン(躍動)

【収支報告】 3日分を計算して最終の収支は辛くもトータルで何とか黒字になりました。本当にほんの少しですが。

目次
2026.0123-0125 台北まで/『すべすべの秘法』上映/『家族コンプリート』上映
2026.0126-0127 インタビューその1/台北ビエンナーレほか
2026.0128-0129 高雄へ/インタビューその2
2026.0130-0201 自主上映会1/自主上映会2/自主上映会3
2026.0202-0204 縦横/帰国と成田山

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