2013.1028 Montag
8時過ぎに起床。今日は俳優の皆さんが3人とも帰国する(自分とイマイズミコーイチはあと2日ベルリンに残る)のだがイッセイくんとひろさんが同便で昼の12時頃、リョータくんのは23時頃なのでまずは2人をお見送り。昨夜、送ってくれるマーティンに相談したところ「(フライトの2時間前で)10時に空港着だったら9時半出発で充分」とのことで空港が近いっていいよな、と成田のことを考えると気がちょっと滅入りますが私が滅入っていても仕方がない。皆さん8時過ぎには起きていて、出発する2人は準備ができている(優秀)。まあ忘れ物があっても僕らが持ち帰りますので気楽に、とか言って一人で部屋の外に出てぼんやりしていると自転車に乗った男の人が眼の前で止まり、「この自転車の買い手を探しているのだが、おまえ興味ないか」と意表を突くようなことを言う。面白いので(ここで売れたらこの先は歩いていくのか?)話を聞いてみようかとも思いましたが買うことは絶対ないので「自分らは旅行者なので」と断ると「そうか」とあっさり立ち去った。
みんなで朝食とかお茶するにはちょっと時間が無いのだけど、2人が行くテーゲル空港はあまりレストランとか喫茶店が充実していないので、今はお腹が空いてなくても向かいのパン屋で弁当を買っていったほうがいいかも、と言うと2人は雨の(ちょっとパラついてきた)中を小走りにいつものパン屋に入っていった。やがてマーティンが車で来ていよいよ出発だ。ご苦労様な事に今夜リョータくんを迎えに来る事のも彼だそうなので待ち合わせの時間を20時くらい、と決めてから2人の荷物を積み込む。初めてのベルリン(ドイツ)はいかがでしたでしょうか、観光ツアーと違う滞在だったのは確かだけど果たしてどの程度面白がってくれただろうか、については実は(上映以外は)けっこう別行動だったのでいまいち自信がありません。ともあれお気をつけてさようなら、また東京で。フィンランドでは景色のよいカフェでお茶とかできるはずですよ(高いけど)。
いってらっしゃい
さて雨は何となく上がったので自分らはリョータくんと朝飯を食いに行くことにする。劇場に近いところに未だに何料理か判らないのだけど去年入ったらスープが美味かったレストランがあり、そこへ行こうかなと。映画祭の終わった劇場の前を過ぎて…あれ開いてない。仕方がないのでそのまま直進してケバブ屋に入る。注文も慣れたもんでバリバリ食って(噛むと歯が痛いので痛くない方で噛むのだがそれはそれで片顎が痛くなってくる)。リョータくんは店内でやってる通販番組の「電動耳掃除機」に引っかかっているがやがて食べ終わったので隣のパン屋(トルコ系)でお茶。基本的にこういったとこのマダムは英語は話さないので気合い半分で注文するのだが、「テー(お茶)くらはい」というとマダムは何だかぶんぶん動き出し「ダメ」みたいな事を伝えてくる。だって看板にあんじゃん、と思っているとどうも「お茶を作るマシーンが故障中なの」ということのようでした。マダムは「でもココアなんかお勧め」とまた伝えてくるのでじゃあそれでいいです。あとそのゴツそうな林檎のケーキくらはい。紅茶(砂糖をドバドバ入れるのが通常だが入れなければ最初はブラック)なら良かったのだけど甘いココアに甘いケーキ、でまあケーキの甘さが軽減されていいかもしれん、つうかけっこううまい。うまいけどまた歯がいててて(やっぱ初日に大ボケしてシェービングクリームで歯磨きしちゃったのが祟っているのか…)と。この後どうするの?とリョータくんに聞くと「最後なんで、トーマスに会ってくる」とのことでここで解散、20時前には部屋に戻ってきてくらはい。
メッセンジャーによるとイッセイくんとひろさんはヘルシンキに着いたようだ。残った自分らはしばらく外の席で煙草を喫っていたが、何となく検索してみると昨日のBrunosでも見つからなかった『BUTT』2014カレンダー取り扱い店が一駅向こうにある(昨夜の打ち上げ会場の割と近く、ベルリンでも4店舗くらいでしか置いてないらしい)事が判り、イマイズミコーイチに行ってもいい?と聞くと「いいよ~」と言うので途中まで歩き出すが川を超えた辺りで「やっぱり、ちょっとしんどい」と言い出す。先程から「ぼくは、もう、ぬけがらなの」などと言っていたのでマズいかな、と思ってはいたが目的地は行ったこと無いところですぐに見つかる保証もないため、歩きまわるのは止めたほうがいいかも、一人で家に戻ってる?と言うとしばらくどうしようか、と悩んでいたが「うん、かえって寝る」と言って鍵を受け取りふらふらと元来た道を戻っていった(…ご無事で)。さて一人でKottbusser Tor駅まで来たが店は更にこの駅を超えたところにあるらしい。通りの名前さえ間違わなければ日本の住所より判りやすいはず…なのだが携帯の地図を見ると通りすぎてしまっている。あれれ、と来た道を戻ると建物の通りに面した側ではなくて内側でした。建物が途切れたところから入るとこんな店がありました。セレクトショップのような感じで服やアクセサリーと一緒に本も置いてある、という感じ。カレンダーは普通に、と言っても2冊平置きしてあるだけだったけど買って、早めに戻ろうと思ったのであまり中は見なかった。カフェとかもあるので元気だったらイマイズミコーイチと来たかったな、と思いつつ次回かな。
おそらく今回買った一番高いもの
宿に戻る道すがら、私は土産を何も買っていないことに気が付いて目についたスーパーに入り、でかい菓子などを買う。日本で買うとバカ高いチョコレートが安くて魅惑的なのだが自分用に買うとなると収拾が付かなくなりそうなのでひとまず止めて出て、そのまた近くにはオーガニック食品の店みたいなものもあったので入ってみるとさっきのスーパーとは違って実に呑気な感じ、でまずレジに人がいない。店員らしい人はいるがなんかやってる。のでこちらも気楽に眺めてチョコレートと、それと自分用にツナ缶(世界各地で理想のオイル漬けツナを探しております)。こんくらいでいいかな、と無人のレジ前に立つとやがて店員のおばさまがつつつ、とおいでになりお会計は何の問題もなく済んだのですが、おばさまは帰ろうとする自分に「これなんてね」とスープの試飲を勧める。パッケージからするとカボチャですかねこれは、と飲んでみるとうまいんだけど滅茶苦茶辛い。面白いので買ってもいいかな(粉末みたいだし)、と思ったがおばさまはスープを渡すとさっさとどこかへ行ってしまいまるで売る気が無さそうなのでまあいいか、とそのまま店を出た。
部屋に戻ると鍵が開いていて、イマイズミコーイチがギャラリーのソファーに寝っ転がってインターネットなどしておる(寝るんじゃなかったのか)。自分は荷物を置いてからビールを買って部屋で飲み始める。しばらくするとペトラからメッセージが来る。「19時半に隣のカフェで友人と会う事になってるから、その時リョータを見送りに寄るわね」だそうなのでそれをそのままリョータくんに転送する。しばらくすると帰ってきたリョータくんはあれこれとパッキングをしていたが「タオル(みんな持参)捨ててってもいいかなあ」と言うのでじゃあ水浸しの浴室を拭くのに使ってから捨てとく、と受け取って後は無いかな、この人だけは東京じゃないので忘れ物があるとちと面倒なことになる、と確認していると「ハイ」と声がしてペトラがやってきた。昨夜はパーティーで会えなかったね、と言うと「ああ12時半には帰ってしまったのでごめんなさいね」だそうでした。みんなで写真を撮って、それをその場でメールで交換してまたね、とペトラは2軒隣の店に戻っていった。
そしてマーティンが来る。明後日の僕らの時には送車はある?と聞くと申し訳なさそうに「これは自分の車じゃなくて映画祭で借りてるレンタカーで今日で返す事になっているので、君たちも送ってあげたいのだけど、公共交通機関で行ってもらうことになる。ここから一番わかりやすい空港へのルートは地下鉄でアレクサンダープラッツまで行ってから、シャトルバスに乗る方法だ。安いし。」と教えてくれたのでオッケーありがとう、行ってみるね。マーティン含めて4人で記念写真を撮って、リョータくんをお見送り。これからモスクワ経由でしかもトランジットが半日もあるので(しかもよりによって着くのが朝の4時だと)一旦出国します、とのこと。こんな時期にロシアに行くというもの何かのお導きであろう幸運を祈る。
セルフタイマーで撮ったのが出来が一等というのはどういう事だ
さて本当にみんな帰ってしまった。マットレスを片付けてしまうと部屋がいよいよ寂しいのでバーカウンターに入って酒場ごっことかして(イマイズミコーイチは泥酔客役)みたものの大して陽気な気分にもなれないので残ったビールを飲んでから夕飯を食いに行くことにした。昼間は開いてなかった謎スープ料理の店へ、外はちょっと寒いかもねえ。とでけでけ歩いて行くとあれまた閉まってる。何か今回は縁がないかも。食べ物屋はいっぱいあるけど続けてケバブってのも能が無いのでちょっと前から気になっていたベトナム料理屋を入ってみることにする。店に入ると客は誰もおらず、奥のほうから女の人が出てきた。自分はフォー、イマイズミコーイチはチャーハンを注文して暫し待つ。奥からさらに男の人が出てきて調理を始め、とここらでなんだか客が増え始める。料理が運ばれて来たのでフォー喰う、うまい。
またビールを買って飲みながら帰り、外で煙草を喫ってるとペトラが連れの女性と店の外で立ち話をしていた。ハロー、と声をかけたらこっちへ来たのでちょっと話をする。「元気?」と聞くのでイマイズミコーイチが「上映が終わってとても疲れてしまった」と答えると何故かペトラ連れが「判るわ」みたいな顔をしており隣のペトラはすごく元気そう。明後日の午前中に帰るのだけど鍵の返却をどうしようか、と言うと「では受け取りに来る。時間は後で相談しましょうチャオ」と店の前に戻ってまだ話をしていたが、自分はふと土産用の携帯灰皿(海外に持って行くとけっこう受ける土産物、日本以外に無いらしい)を誰にもあげていなかったことを思い出しスーツケースの奥から引っ張りだしてペトラに差し上げる(「アナザープレゼント?」とか言いながら大笑いしてました)。リョータくんは無事(ロシアに向けて)出発したもよう、皆様おやすみなさい。
みんな帰っちゃった
2013.1023 出国
2013.1024 『ラフレシア』上映
2013.1025 『誕生日』上映
2013.1026 『盗撮リポート:陰写!』上映
2013.1027 『すべすべの秘法』上映
2013.1028 おまけ1
2013.1029 おまけ2
2013.1030 帰国