2013.1030 Mittwoch

 8時過ぎ起床。イマイズミコーイチはうんうん言いながらパッキングをしている。自分は混乱を極めている電源コードや変換プラグを片付け、浴室その他を拭き掃除してついでに忘れ物チェックをしてゴミを分別する。ペトラが細かくゴミ箱を分けてくれていたので掃除もしやすいがこの溜まったビール瓶はどうしよう、と前に聞いたら「ああデポジットが含まれているのとそうじゃないのがあるんだけどもう判んないだろうから全部そのまんまでいいわ」との事でした。そうだ僕らもパンを買っておこう、と向かいのパン屋に入ると結構混雑している。テイクアウトでサンドイッチ(部屋で食ってしまった)と、でかいワッフルがあったので買う。昨日買っておいたエナジードリンク「ビターレモン味」というのを冷蔵庫から取り出して飲む。うむ苦い。


ぐびぐびぐび

 9時過ぎにペトラがやってきた。彼女は今日はこのままここのリノベーションをするそうなので(空くのを待っていたんであろう)鍵を返し、たらまあいつ出て行ってもいいようなものであるが早速奥でふんふんふん、みたいな上機嫌で何やらやっているので部屋をチェックしてもらい「問題なし」との事で一緒に写真を撮って、お世話になりましたありがとう、ベルリンには多分また来ます、とお礼をする。「あの映画はラヴリーだったわ、あとちょっとびっくりしたのは小道具でニベアが出てきた事。あれはドイツのブランドだから」あはは。しかし磊落ないい人だった、のでお茶くらいは一度一緒にしたら良かったでしたがそれはまた今度。僕らはがらがらとカートを(石の歩道なので物凄く転がしにくい)引きずってヘルマンプラッツ駅に向かった。ここからJakob-Kaiser-Platz駅までは一本乗り換え無し。最初は座れなかったのが空港に近づくにつれて空いてきて、最後は2人並んで電車に揺られ、とここでお約束のようにイマイズミコーイチがスーツケースを掴んだままうとうと寝始めたので自分はイマイズミコーイチを掴んだまま、寝られません。

 Jakob-Kaiser-Platz駅に着いたらスーツケースを持った人の列に付いて行けばいいわ、というペトラ様のアドバイスではありましたがあいにく前方にはスーツケースの人が一人しかいない。この人に着いて行ってもいいものだろうか、と思いつつかなり早足な人なので判断がつかないまま必死で後を追うと路上に出て、バス停が見えました(正解)。行き先が空港じゃないのも当然あるが運良く「テーゲル空港」が行き先のバスがすぐに来た。2ユーロくらいだったかな、の運賃を払ってチケットを受取り、あっという間にテーゲルの面白い形のビルが見えてきた。チェックインしてからちょっと一服、やたらいい天気である。メッセンジャーで「これから帰ります」と先の3人に報告してさて、と相変わらずほぼ何もない待合室(フィンエアーが割り当てられているDエリアは殊更なんもない)近くの簡易売店で紅茶だけ買って持ってきた超うまいワッフルを食べたら、噛むごとに粉砂糖がそこら中に散らばるのでした。さて迎えのバスが来たので搭乗です。


テーゲル(また来るのかどうか)

 2時間しないでヘルシンキに着く。ここで出国しないといけないので早めにやっちゃおう、と並んでいると当然というか同じ乗り継ぎ便には日本に向かう日本人が一番多いわけでしかも団体客、列が全然進まない。と不意に「ちなみに~」というネイティヴでない感じの日本語が聞こえてきたので何事、と振り向くとでかい空港係員の男性が流暢な日本語で「ちなみに、真ん中に固い紙の挟まったICパスポートをお持ちの方はあちらの自動化ゲートも使えます」とこう、文字で書くと別段おかしい事はないのですが耳にした時の異次元感は相当なものがありました。その自動化ゲートとは何か、要はパスポートの写真を読み取ってカメラに写った顔と照合するシステムでしたがまず正面カメラでチェックして手前のゲートが開き、更にもう一回別のカメラでチェックしてOKだったら次のゲートが開いて、その先に「はんこ押すだけの人間係員(私はこの仕事がやりたい)」が待っているという事でした。自分は2個めのカメラの存在にすぐに気付かず手こずりましたが(結局係の人にあれこれ指示されるので無人化ゲートとは言いがたい)、次やるときはスムーズに抜けられると思います。今のところ日本と韓国のパスポートのみに対応とのことなので、きっとカメラも北アジア人認識が得意な機種を使ってるはず。

 ゲートを抜けて喫煙所で一服していると向かいのおっさんが「煙草くれないか」と言う。まあいいか、と一本あげるとやおら財布を開けてコインをくれたがそれが5セント。まあ原価くらいだろうか呉れるだけ良い人だよ、とイマイズミコーイチとちょっと笑ってたら、そのおっさんがまたやってきて財布を開け「申し訳ない、小銭は本当にこれしかなくて、ほら」と空の小銭入れ(+お札は結構持ってるじゃないの)をこれでもか、と広げてアピールするので判った判った判りました笑ってごめんなさい謝る、とお引き取りを願う。悪い人ではないと思うけど結構ヘンな人だ。この空港内の喫茶店は景色がいいので高くてもいいや、とお茶を頼んで飲む。この席はWiFiがちょっと不安定だけど何とかつながるのでラップトップを開き、でも特に何も問題は起きていないことを確認して、そろそろ搭乗時刻。もうすぐ日が暮れるところで空がまだらに赤く染まっている。いつかあの橋の向こうにも行きたいなあ。


ヴァンター、ヘルシンキ

 復路は機内食で悩まなくていい、というのはイマイズミコーイチが往路で「肉が食えない客」としてマークされ「帰りの便ではヴェジタリアンメニューになさいますか?」と聞かれて「はい」と答えたからである。「一度どんなもんか食べてみたかった」とイマイズミコーイチ、しかしアナウンスによれば「本日のメニューはチキンのなんとかライス又はパスタでございます」ということで「どっちでも、大丈夫だったね」。やがて運ばれてきた特別メニューは肉はおろか動物性の素材が一切ないというものでメインはなんだろう、煮付けた赤大根みたいなモノかもなこれ、を「…まずくはないけど、味気ない」という顔をして食っているので自分のチーズを半分あげました。自分はちょっとワインを飲み過ぎて気分が悪くなったりもしつつ何とか成田までたどり着き日付は変わってジャパンは10月31日(家帰ったら家賃と区民税を払わないと)、特に弁償もさせられずルーターを返して税関も引っかからずゲートを出た自分らが一息ついた時にどっかの外タレが到着したらしく、追っかけの人が波動のように動いているのが遠目に見えました。おしまい。

2013.1023 出国
2013.1024 『ラフレシア』上映
2013.1025 『誕生日』上映
2013.1026 『盗撮リポート:陰写!』上映
2013.1027 『すべすべの秘法』上映
2013.1028 おまけ1
2013.1029 おまけ2
2013.1030 帰国